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February 10, 2010

真の社会実験とは

高速道路の実験的な無料化計画が発表された。全国の37路線50区間を対象に2010年の6月をめどに開始するとのことである。

いずれも途切れた区間の交通量の少ない地方路線である。この社会実験により、経済への波及効果や渋滞の状況、公共交通機関への影響などを検証し、2012年度に向けて無料化を段階的に実施するとのことである。

交通量の少ないところばかりを選んで本当に社会実験たりうるのか、甚だ疑問である。民主党が高速道路料金無料化をマニフェストで訴えた手前、何らかの政策的アリバイを作らなければならないのではないか、との印象を受けるのは私だけではあるまい。

「無駄の排除」を標榜する現政権が、1千億円にも上る実験としては大いに疑問を感ざるをえない予算を計上することについて理解に苦しむ。

そのような中で、仮に社会実験を行うのであれば、例えば松本市内の国道19号線渋滞緩和との絡みで、長野道の「豊科」~「塩尻北」間の高速道路料金の無料化であれば十分に説明可能であるのに、との感想を持った。

国道19号線の渚交差点周辺は渋滞と事故多発のメッカである。政権交代により、その解消のための事業の大幅な遅れが見込まれている。そうであれば、この19号線と並走する高速道である長野道の「豊科」~「塩尻北」区間を社会実験として無料化をしてみたらどうなるか。19号の渋滞区間から高速道路への利用転換を促すのである。並走する高速道路を事実上19号線のバイパスとして機能させ、19号線の渋滞がどの程度解消されるのか否かを検証する、そして渋滞解消のために19号線のどの個所を優先的に拡幅整備するべきか、が判明してくるはずである。

残念ながら、国土交通省の無料化計画の中には、19号線絡みのものは見受けられない。地元もそういう要請を行った形跡は見られない。いきなり政府が社会実験の箇所を決めてしまう発想。「地域主権」を標榜する現政権は、地方の現場の実態を理解しその意見をしっかりと踏まえるという意味で、理念と実態が相伴っているとは言えない現実があるように思える。

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