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June 23, 2008

英国のホームパーティー

英国では個人の家に客を招待する習慣があり、私自身の家にお客さんを招待するのはなかなか難しいのですが、日本にいる時に比べ、私がお邪魔する機会は飛躍的に増えました。

6月中旬の週末の土日は、立て続けにそれぞれ日本人、英国人の知人宅訪問となりました。

土曜日は、テニス仲間の日本への帰還歓送会を兼ねて、いつものローンテニスの後、イーリング・コモンの日本駐在員のご自宅に数家族が集まりました。私も妻と一緒に出かけました。テニス仲間で日本に帰還する方は、2年間の勤務を終了しての帰還です。テニスに誘っていただき、私自身の週末の時間の過ごし方が格段と豊かになる機会を付与して頂きました。東京に帰ってからもロンドンの付き合いは継続しようと誓い合いました。
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午後一時過ぎから始めた宴会は、夕方まで続きました。最後は男性陣と女性陣と子ども組に分かれ、それぞれの話題に花が咲きました。大人たちがテーブルで歓談する中、子供たちが庭で遊んでいるという絵になるような風景に目が和みます。ロンドンにいると、何とはなしに日本にいたとき以上に「コミュニティの結束」が高まっているようにも思えました。異国においてはお互いに心細い中、協力し合うことで安心感を得たいという気持ちが強くなるのでしょうか。日常生活のちょっとした不安も皆で時間をかけて話す中で払拭されていくように感じました。

翌日の日曜日は、チェルシーの私のフラットの家主夫妻からバイブリーのご自宅にお呼ばれしました。バスで片道3時間近くかかる距離でしたが、かねてよりのお誘いがあり、妻がロンドンにいる時を見計らって訪問することにしました。ご主人は貴族院議員で法律家でもあるブレナンさんという方です。少し前に、貴族院での法案審議中に心臓の鼓動が急停止し、危うく一命を取り留めたこともあり私も心配していましたが、心臓にペースメーカーを装着しつつも今ではすっかり回復し、訪問の際には、誠に恐縮なことながら、Rimg1508近くのバイブリー・コートをはじめとしたご自宅周辺の2時間近くの距離を自らご案内頂きました。

ところで、このご自宅ですが、びっくりするような邸宅でした。バイブリーですから、落ち着いた色彩の石と鉄平石を組み合わせた素材で作り上げた屋敷ですが、広い芝生の庭と果樹園、温室、プール、家庭菜園を備えた堂々とした邸宅でした。屋敷内の最も古い部分は400年たっているとの話でした。ご夫妻ともロンドンにもお住まいですが、バイブリーのこちらの家で過ごす方を好んでおられるようです。精神的に安らぐというのがその理由でした。Rimg1501
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広い家の中の一角には、家族の写真が所狭しと並べられていました。その中の最も古い写真は、ご主人がマンチェスター大学の学生組合の委員長をなさっておられた時のものでした。その隣のスペイン出身の若い美人が今の奥様なのだそうです。(一目でそれとは分からないで失礼しました!)

英国では大変高名な法律家でもあられるブレナン議員は、現在も大変忙しく弁護士活動もなさっておられます。私たちが訪問した翌日には、2週間の予定でアイルランド、北アイルランドでの仕事があるとおっしゃっておられました。大変大きな仕事なのだそうで、IRAの爆弾テロの被害者の立場に立って、テロの犯人とされた者に損害賠償を求める訴訟の原告代理人を務めているのだそうです。英国では大きな注目を集めている裁判で、裁判の公平を期するために、ダブリンとベルファストで交代で公判を行っているという話も伺いました。安全確保のために、関わっている弁護士は前面に出て来ないようにしているという話もありました。ブレナン議員の移動の際にはMI5の警護官がつくという話も伺いました。IRAとの抗争は随分昔の話だと思っていたのですが、まだ尾を引いていることを初めて知りました。

ところで、ブレナンさんの家をはじめとしてこの国には表札というものがありません。日本では考えられませんが、英国人が個々の家と個人の関係を他人に知られないようにしていることは、安全確保の意味があるのかもしれないと、ふと思った次第です。

ブレナン議員は、その功績により女王から男爵の爵位を授けられておられますが、そのようなことは些かもひけらかすことのないご人徳に思わず引き込まれます。偶然とはいえ、誠に得難い家主一家に遭遇したものです。

ご夫妻のご長男も一緒に加わり、地元で捕れた雉の料理を御馳走になりました。バイブリーには野生の雉も捕れるのです。帰りはロンドン行きのバスの停留所まで車で奥様にお送りいただきましたが、途中、Northleach、Lower Slaughter、Burton-on-the-Water、Stow-on-the-Wold といったコッツウオルズの主だった景勝地を駆け足で御案内頂きました。実は奥様も同時通訳のお仕事をお持ちで、前日にはウィーンの医学学会の通訳を済ませて戻ったばかりで大変お疲れのところ、ご迷惑をおかけしてしまいました。しかし、夫婦ともに満足感いっぱいでロンドンに戻ってきましたが、一期一会の有難さを夫婦で感謝しました。


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