飛行機の突然のキャンセルへの自己防衛的対処経験
ドイツ出張自体は充実したものでしたが、その往復の飛行機確保に思わぬトラブルがありました。
先ず、行きの飛行機がその日の朝突然キャンセルになりました。ロンドン・シティエアポートから飛び立つ予定のルフトハンザがドタキャンです。前日インターネットでチェックインを行ったのですが、その後何の連絡もないままに空港カウンターでキャンセルを通告されたのです。
ルフトハンザの発券カウンターに行くように指示され、そこで列を作り手続きを待ちました。このような時も振り替え便の発券は一人の女性職員がやるだけです。お客は我慢して列を作り待っています。
私たちは、3時間以上後のヒースローからの午後のBAの振替便を指示され、渡された紙きれを持参し、ルフトハンザ手配の車でヒースローに向かいました。
ところが、BAのチェックイン窓口に行くと、「(電子データとして)連絡を受けていない」、というのです。そして再度ルフトハンザのヒースローの発券窓口に行けと言われてしまいました。再度列に並ぶのは嫌なので交渉していましたが、たまたま同じ境遇にあったドイツ人一行が隣の窓口で我々とは異なりチェックインを完了しているのを確認したので、両者で取り扱いが異なるのはおかしいではないかと質問しているうちに責任者が出てきてどこかと連絡を取り、その結果チェックインが行われることになりました。
どうも非常時の航空会社間の振り替え輸送連携はうまくいっていないようです。その手続き的負担を迷惑を受けた側の客に押しつけることは日本では考えられないように思われますが、こちらの空港会社の職員はそんなことはお構いなしです。自分の作業分野に通常起こりえないことが起こった場合、相手が客であろうが何であろうがそちらの側で考えて職員の作業マニュアルに合うように都合を付けろ、と言わんばかりです。
行きのこともあったので帰りも心配になり、ホテルからウェッブチェックインを試みましたが、何と、ウェッブ上でのチェックインが拒絶されました。そこでルフトハンザの空港窓口に何度も電話をしましたが、確かにチェックイン不能を確認したうえで、予約はあるので空港にきてもらえれば大丈夫だ、ということで一応納得して土曜の朝早く空港に行きました。そうしたら空港窓口では、何と、予約が入っていない、という返事でした。何らかの理由で予約がキャンセルされたようでした。
ルフトハンザのチェックイン担当者は、ヒースローのBAが手違いでキャンセルしたようなので、これからこの空港(ベルリン・テーゲル)のBAの窓口に行って手続きをするように、との指示でした。そんな事をしていると私が乗ろうとしている目の前にある飛行機の搭乗手続きが終わってしまいます。
私は、「冗談ではない。私はきちんと帰りの予約書類を持ている。昨日電話で確認したらチェックイン窓口に来てもらえれば大丈夫だとも言われた。そもそもロンドンからのルフトハンザがドタキャンになったことが原因でこのようなことになっているのに、それを客の責任で予約を取りなおせなどというのは言語道断だ。」ときつく申し上げました。若い窓口の職員は電話で何度か責任者と話をしていましたが、最終的にはチェックイン窓口で発券手続きが完了しました。
まあ、何とひどいことかとあきれかえりました。もし何も言わなければ、往復のスケジュールはどうなっていたか分かりません。このことを後刻知り合いの全日空の方に申し上げると、「こちらではそんなことはしょっちゅうです。それがあるからこちらの人たちは自己防衛的に自己主張が強くなっているのかもしれません」との返事が返ってきました。
日本の社会の縦割りの弊害がよく言われますが、どうも欧州はもっとひどい縦割りのようです。その縦割りのはざまで自己防衛をするためには、個々人が論理立ててその非を糺していく術を身につけるほかはないようです。配慮が行き届き、やさしく安全な日本社会に暮らしていた日々が懐かしくなってきました。
ところで、やられっぱなしなのは癪なので、往路にヒースロー空港に行ったことを奇貨として、IRISという眼の網膜を写真に撮りそれにより同一性識別を行い入国管理手続きをスムースに行うというシステムの手続きを行うことにしました。
出国手続きを終えたゲートの先に事務所があり、写真を撮ってもらいました。これで次回外国から帰国する際には入国審査の列に並ぶことなくスムースにゲートを通過できます。以前から手続きをしようと思っていたのですが事務所が閉まっているなどしてタイミングが合いませんでした。
眼の網膜を写真に撮られることを好まない人も多いと思われますが、入国管理手続きの効率化のために今後普及するように思われます。しかしこのシステムを使うには英国に6月以上滞在が許可されたものなど一定の資格が必要ですが、日本でも関心を持つ人が多いシステムだと思われます。
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