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February 18, 2008

英国首相の広大な公式別荘「チェッカーズ」

最近の英国は週末に天候に恵まれることが多く、2月16日、17日の土日も晴天に恵まれました。

英国では梅と桜の両方に似ている植物の花が満開になっており、その花に誘われたのと、一人で家に燻っていても仕方がないこともあり、お誘いに乗り、土曜日はテニス、日曜日はロンドンから列車で一時間ほどのNational Trailの一つRidgeway Pathの東側を歩きました。それぞれ誘ってくれる友人がいるということは実にありがたいことです。Rimg0837

ハイキングは、過日ケントの古城巡りを一緒にしたグループでしたが、今回は盛況で8名参加でした。16キロのアップダウンを存分に楽しみました。Buckinghamshireという広域自治体の行政区域のなかのChilternsと呼ばれる白亜質岩からなる丘陵景勝で有名なところを抜ける英国を代表するハイキングコースがRidgeway pathなのです。

Ridgeway pathを全部踏破するにはまる6日かかるのだそうです。今回は、そのうちの一日分を切り分けてのハイキングでした。Time Out というレジャー関連情報を売り物にしている企業が発行しているCountry Walksという本が優れもので、行き帰りの列車、コース案内、見どころ、食事場所などを克明に解説してくれています。今回もこれに沿ってのハイキングでした。途中で多くのハイカーに会いましたが、多くの人が同じ本を片手に持ちながらのハイキングであり、その普及ぶりが自ずから分かります。Rimg0843
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日本でも、歴史的に由緒ある古道を再発掘し、それを内容とする体系だった便利なネット上の情報提供サイトを作り、さらに現地で動きやすい本を作っていくるということは、十分に考えられることです。都会の活力を農山村振興に呼び込む手法として大変有効だと考えられます。

さて、英国人は休日ハイキングに出かけるのがとても好きで、親しい友人とともに定期的に出かけている人が多いようです。私が参加したグループも、この本に沿ってロンドン近郊のカントリーウォークをここ3年、月一回のペースで楽しんでいるのです。私は二度目の参加ですが、参加するたびにいろいろ教えてもらえます。8人の中で唯一の日本人で且つ参加者中最高齢者なのですが、皆さん優しく話し相手になってくれとてもありがたく思います。

今回のRidgeway pathの見どころは、遠くから見ると丘の斜面にWhiteleaf Crossと呼ばれる十字架が彫られている小高い丘、ボーア戦争の追悼碑が建てられているCoombe Hill、そして極めつけは何と言ってもChequersと呼ばれる英国首相の別荘でした。
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何と、英国の首相には、政府が維持管理する公式の別荘があるのです。日本だったら考えられない贅沢のように思われますが、そこは流石に英国です。歴史的経緯があるのです。清教徒革命で有名なクロムウェルの孫が一時所有していたこともある由緒ある館で、ハイカーは遠方よりその姿を臨むしかありません。とにかく広い敷地に立派な館、です。それを表だって批判しないところが英国の歴史と伝統を感じさせます。今の日本であれば、民間への資産売却は不可避でしょう。市場原理主義が貫徹しているはずの英国でも、一見有効利用を疑問視する向きもないではないはずの首相別邸ですら、そうはなっていません。皇居周辺の超一等国有地が、どんどん民間や外資に売却されていく日本とのコントラストを思わず感じました。

カントリーウォークで自然に親しみながら、そんな世俗的発想しかできない自分自身の発想の貧困さを反省しながら、あっという間に16キロのハイキングを終えました。

帰りの列車を待つ間、Wendoverという町の喫茶店で、皆でアフタヌーン・ティー楽しみました。紅茶を飲みながらケーキを食べるのです。夏目漱石が、100年前の留学中の日記で、「英国人は一日4食とる」と書いたうちの一食分はこのアフタヌーン・ティーに違いない、と思わず考えました。

私は幸い、余暇に誘ってくれる日本人、外国人の知人がおり、漱石のように神経衰弱にならないで済んでおり、有難いことだと、改めて感謝したところです。

なおこのアフタヌーン・ティーのお店も、上記の本に掲載されているものであり、この本のおかげで売り上げは好調のはずです。小さな観光がちょっとしたコミュニティ・ビジネスの刺激にもなっています。

ハイキングから帰った後、東京から来た知人との会食の約束があったのですが、時間を間違えており、30分遅刻してしまいました。


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