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September 02, 2007

コッツウオルズのバイブリー;アンダンテで巡る町

妻が英国にいる短い期間に一度英国の農村風景を見に行きたいと思っていましたが、天気がよい週末の9月1日、ビクトリア駅発の長距離バスを使い、コッツウオルズ(Cotswolds)にあるバイブリー(Bibury)に足を伸ばしてきました。

コッツウオルズの中心地はサイレンセスター(Cirencester)という町であり、バスはロンドンから3時間弱でこの町に着きました。

サイレンセスターの町は、とてもしゃれていました。片田舎の小さな町とは思えないセンスのよさが印象的でした。特に、サイレンセスターではB&Bが目に付きました。泊りがけで出かけるときには、是非B&Bにトライしたいと思いました。

この町から、バイブリーまではタクシーで20分弱くらいで行けます。サイレンセスターに着いてからのバスの便が悪く、タクシーを使いましたが、帰りのタクシーも予約しておくか、電話で呼ばないとなかなかつかまりません。また、バイブリーは携帯電話の圏外であり、公衆電話からタクシーを呼ぶのに一苦労しました。

バイブリーは、石造りの家並みと清流のマッチしたおとぎの国のような風情です。川沿いや牧場の周辺を散策していると時間の経過を忘れます。年配の夫婦などの観光客が足を伸ばしてにこやかな表情で歩いています。見ず知らずの人が互いに挨拶をしたくなる雰囲気があります。私たち夫婦も何組もの夫婦と思わず顔を見合わせて挨拶をしました。

「本当によいところですねえ」とお互いに笑顔で語りあっているのです。美しい風景は人の心を和ませます。登山で山に登ると行き交う人と挨拶をするあの感覚です。

あっという間に6時間ほどをバイブリーで過ごし、往路で使ったタクシーを復路でも呼んで使い、サイレンスターに戻ってきました。ドライバーが、「バイブリーは期待通りでしたか」と聞かれたので、「私の故郷も同じようにきれいなところがあるのですよ」と思わず強がりの故郷自慢をしてしまいました。

バイブリーは、湧水が豊富で、きれいな水草が豊富な清流を更に綺麗に見せています。バイブリーを流れる川はColn川と呼ばれ、コッツウオルズ丘陵に源を発していますが、途中で湧水を集め、清流となっているのです。スワン・ホテルのすぐ近くに湧水の源がありましたが、鴨や白鳥などの水鳥が戯れ、とてものどかな風情を見せていました。しかも、こちらの水鳥は、まったく人間を恐れません。信頼しきっているようです。

同じような風情は、安曇野市の大王ワサビ園の近くの万水川にあることを思わず想起しました。ただし少し(相当)違うのは、周囲の景観保全に関する意識の違いです。この点は、日本の国は英国に大いに学ぶべき点です。

素材は日本も英国以上によいものがあるのですが、その素材を雑に扱ってきたように思えてなりません。安曇野のせっかくの清流の両岸の護岸整備の手法も安曇野を通る道路の沿道の看板も、英国人から見たら、おそらく少なからず野蛮で野暮なものに見えるのではないでしょうか。ふと、Coln川に万水川から姉妹提携を申し込み、景観保全面での学習を試みてもいいかもしれないと思いました。

ところで、バイブリーは昔この地域で羊毛が盛んな時代に、成功者により一連の石造りの家が建てられたようですが、時代が下り産業の栄枯盛衰につれ地域が廃れ、かえって昔のままの家並みが保存されてきたことが今日的な意味で再評価されたとのことです。この点も何やら木曽の妻籠宿の復活と背景が似ています。

私の家主夫妻もバイブリーのどこかに家を構えているのですが、今回は想像をするのにとどめておくことにしました。

サイレンセスターと同様にバイブリーにもB&Bがあちこちにありました。Rimg0270
地域資源の持つ個性と特徴を最大限に生かすことで質のよい観光客を世界からひきつけ、それを観光収入に結びつけ、息の長い地域振興を図るということに英国人の懐の深さとしたたかさを感じざるを得ません。携帯電話が通じないこと、バスの便が悪いことは少しも気になりませんでした。「そういうせわしい人は来ていただかなくて結構です。私どもにはすでに上客がたくさんいますから。」と言われているような気がします。

バイブリーの観光は、観光地の側が客を選別しているのです。このような視点は、日本人も学ぶべき点かもしれません。

それにしても美しい風景でした。いくつかの写真を並べます。風景に見とれて、女房と一緒に2万5千歩稼ぎました。バイブリーは歩く速さ(アンダンテ)で巡るにふさわしい町です。
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