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June 10, 2007

「SNSは地域のキーパーソンを浮上させる」

6月8日に青森県庁内で「SNSを通じた地域活性化研修会」があり、私も講師の一人として参加してきました。

@ami’z(アミーズ)という青森の地域SNSの主催者の米田剛氏、八戸の地域SNS「はちみーつ」の管理者の八戸市職員池田和彦氏との合同講習会です。

一人40分の持ち時間でしたが、私は総務省のコミュニティ研究会の議論の紹介とSNSなどのコミュニティツールの活用可能性の話をしました。米田さんと池田さんは、それぞれが管理しているSNSの機能や特性のご紹介があり、私も大変勉強になりました。070608_16370001

米田からは@ami’zの機能の紹介とこのSNSにより地域が活性化している事例の紹介がありましたが、私は、地域活性化の実例紹介に特に興味を覚えました。

普段は高齢者の多い商店街通り(古川いろは通り商店街)が、休日になると、アミーズで知り合った若い仲間が集い、結構活性化しているのだそうです。

リサイクルショップ「ヘブン」のご主人は、「買い物客をいかに掴むかじゃなくて、その地域に行けば用事はなくとも何かがある、何かが起きるって感じになってくれればなぁ」との思いから、日々商店街のために頑張っておられるのだそうですが、その活動がアミーズで紹介され、家具販売イベントの際には、アミーズ上の情報で販売につながった例が9件あったり、立ち寄ったアミーズ参加者の売り上げ件数は数えきれないくらいあるとか、買い物はしなくとも、寄ってくれたり、差し入れをしてくれたり、 生の情報を提供してくれたりと、アミーズ上の情報交換がきっかけとなって、まちに人が出るようになっている生の実例紹介がありました。

喫茶「カフェ・ムーランルージュ」がアミーズで紹介されてからは、この喫茶店を訪れる人が増え、ここが拠点となり、「人と人の輪がどんどんつながっていうのが見えて嬉しく」思っているご主人の声の紹介もありました。

・自分では直接的な店の宣伝日記を書くことはないが、自分では宣伝しきれない何かしらを皆さんが見つけてくれて、それがネットを通して広がっ ていることを感じています。
・なぜか、皆さんがお土産を持ってきてくれるのですが、それを他のアミーゴにもお裾分けするという、ネット上からリアルな世界に抜け出して、ご近所付き合いをしている状態が素敵です。
・以前はテーブル席に座るお客様が多かったのですが、最近は皆さんカウンター席に座るようになって、カウンター席でお客様同士がアミーズという共通のつながりで、横の会話に変わってきています。
・青森市以外の弘前や五所川原、野辺地など遠方からも、わざわざ来てくれるようになりました。 本当にありがたいことです。

「昨今、地域住民同士のつながりが希薄化し、大型の広告宣伝や大規模店舗に顧客が流れていますが、地域のSNSによる人と人のつながりやクチコミで、人と人とのふれあいを楽しもうという人達が昔ながらの商店街に集まっています。買い物をするのが目的ではなく、ただ、そこの商店街に行くのが楽しい。SNSでつながったいろんな人が友達を連れて、その街に来ることで雰囲気が変わり、そこに小さな活気が生まれてきているようです。」という米田さんの実感のこもった感想が印象的でした。

米田さんの言葉の中で、「SNSは地域のキーパーソンを浮上させる」というフレーズが印象に残りました。特色を出して頑張ろうとしている人が地域のネットの紹介で広く情報共有されるのですから、そういうことにもなるのでしょうが、地域を元気にしたいという地域SNS参加者の思いが自然にそれを後押ししているのです。

自然発生的な会員同士のオフ会、ねぶた囃子会など既存コミュニティの交流の場、住民からの身近なニュースや地域イベント情報発信、地域活動の様々なコミュニティの発生などがアミーズを舞台に生まれ、それが地域を元気にしていくというプラスの元気循環がSNSをきっかけに始まりつつあることを学んだ気分になりました。

もう一人の池田さんからは、八戸地域の「はちみーつ」というSNSの機能を伺いました。「八戸で出会う」、という意味の「みーつ」という意味がこの名前に込められてるとのことでした。八戸市役所が管理運営しているSNSで、地方自治情報センターの補助金500万円(e-コミュニティ形成支援実証実験の実施団体)を得て発足したのだそうです。

市役所が管理運営していることから、公的な特色が随所によく出ています。招待制ではなく、実名登録制であること。また、まちかどレポーターを委嘱し、SNS上で様々な情報発信をしてもらい、災害時には災害情報員としての役割を果たすのだそうです。地震や洪水などの災害発生時には、画面が災害発信モードに切り替わり、災害情報が表に出てくるのだそうです。水害時に実際に冠水記録を残すコミュニティを設置したところ、過去に冠水した水道や場所、経験談が集積し、その後の冠水危険地マップづくりに結びついたのだそうです。業者に任せきりでない、市民参加による手づくり冠水マップが出来上がったのです。これには思わず「拍手」でした。

市役所の各課がコミュニティの管理者となって、悪徳商法から市民を守る「私たちをねらうあの手この手」というコミュニティや、子育て全般について情報提供が行われ、母親が自由に語り合え悩み事相談などが出来る子育て支援サロン「いちご煮クラブ」などがあるのだそうです。市役所が市民と直接語り合う場ともなっているようです。

会員登録数は900人を超えた位なのだそうですが、居心地のよい空間、安全な空間、リアルな活動への橋渡し、というコンセプトで「はちみーつ」を育てていきたいとの池田さんの思いを伺いました。

一口にSNSと言っても、管理者の運営方針や参加者の姿勢で、それぞれの特色があるということが分かります。

ところで、8月31日には「全国地域SNSフォーラム」が兵庫県神戸市で開催される予定なのだそうです。「百山紀行」というハンドルネームでSNSのエバンゲリストとも形容すべき人物が企画していますが、全国各地の地域SNS関係者が集い、実例紹介を交えながら今後の展開について議論し、地域SNSを広く世間にアピールする機会になればよいと思えます。予定が合えば出来れば私も参加してみたい気持です。Skypeの機能を用いれば、「どこにいても!」参加可能です。

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Comments

そういう機能がありますね。日本IBMは、新しいアイデアをその仕組みにより引き出そうとしています。

Posted by: むーさん | June 25, 2007 at 09:11 PM

ひさしぶりに来ました。

SNSのこと、もうちょっと考えをまとめてから、

出直します。

もうひとつの役場?の機能を地域にもたせる、という考え方があります。

その支援とか補強?とかそんな役目のSNSができないかな?

なんてなことを、ぼんやり思ってます。

すみません。つまらんことです。

Posted by: とんばら人 | June 25, 2007 at 05:53 PM

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Tracked on June 26, 2007 at 08:47 PM

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