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June 12, 2007

第二期コミュニティ施策への胎動

昭和40年代の政府のコミュニティ施策に次ぐ、第二期コミュニティ施策への胎動とも言いうる、総務省「コミュニティ研究会」の中間とりまとめが6月4日に総務大臣に提出されました。

この報告の取りまとめに関わったものとして、その報告書の概要を次のとおり取りまとめていますのでご紹介します。

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(報告書の概要)
少子高齢化、過疎化等が進展している中、地域の共生の力の脆弱化が指摘されており、地域コミュニティによるセーフティ・ネットの強化の必要性等が増大している。また、市町村合併が進み、道州制議論も出ている中で、従来の共同体意識が拡散し、地域力が希薄になることに関する問題意識が表明されている。

こうした現状・問題意識を踏まえ、今の時代にふさわしいコミュニティ再生に向けたトータルデザインを描きたいとの考えに基づき、総務省にコミュニティ研究会を発足させ、2月7日の第1回会合以降、地域力の再生等の観点から議論を行ってきたが、6月4日に「コミュニティ研究会中間とりまとめ」が菅総務大臣に提出・公表された。

この「中間とりまとめ」においては、団塊世代の退職といった時代の大きな流れを前向きにチャンスとして「活かす」ことが重要であるとされるとともに、
(1) 分野横断的な具体策として、
・各種団体が連携しあえるようなプラットフォームの構築、
・(各種団体の)離れた構成員を結びつけるものとしてのICTの活用、
(2) 個別分野における具体策として、
・自然の中における子供達の教育の、都市と農山漁村の連携体制の制度化、
・歴史・文化・景観の再認識及び資源としての活用、
等の提言がなされている。

「啐啄同時」という言葉がある。「雛が卵から出ようとして内側からカラをつつく」のが「啐」、母鳥が雛を孵そうとして卵をつつくのが「啄」、これが「同時」になされる絶妙の時機を指す。都市も農村も問わず、地域の共生力の脆弱化が懸念され、地域コミュニティが痛んでいるという現状にあって、コミュニティ施策は今日的な意味で、文字通り「地域が求めるもの」と「国の政策」が「啐啄同時」のタイミングで一致するもののように思われる。

特に、コミュニティ施策の中核に位置付けている都市と農山村の子供たちの教育交流の全国展開は、教育再生と地域コミュニティ再生の「一点突破全面展開」の切り札ともなる施策の位置づけられると信じている。特に町村部の活性化にとっては大変有効なプロジェクトとなってくる。

今後、総務省としては、「中間とりまとめ」における提言等を、関係省庁とも連携しつつ政府の施策に反映させていきたいと考えている。以下、その概要を紹介する。

(なぜいま地域コミュニティ再生なのか)
・少子・高齢化、農山漁村地域の過疎化、家族の形態の多様化・個人化が進展している中、地域の共生の力の脆弱化が進行しており、地域コミュニティによるセーフティ・ネットの強化の必要性等が増大。
・市町村合併が進み、道州制議論も始まる中で、従来の共同体意識が拡散し、地域力が希薄になれば、地域コミュニティ組織等によって供給される住民サービスの質・水準の低下を招きかねないとの懸念。
・地方分権が進む中にあって、団体自治ばかりではなく、住民自治を一層重視しなくてはならなくなっている。
・研究会を発足し、地域の共生の力をマネージメントしその潜在力を引き出す、地域力を再生するという観点から、ソフト面についても議論。
・団塊世代の退職といった時代の大きな流れを前向きにチャンスとして「活かし」、地域力を再生していくことが必要。

(コミュニティ研究会における議論の進め方)
・従来から全国に存在する町内会等地縁団体と、NPO等の機能団体との両方を、全体としてうまくコーディネートするためにはどうすればよいか等の観点から議論。主眼は、あくまでも地域コミュニティ再生。
・都市部、農山漁村地域等の現状に応じ検討。また、地域コミュニティはそれぞれ多様であるということを前提として議論。
・総務省の施策を統合するとの観点も踏まえつつ議論。

(地域コミュニティ再生に関する基本的事項)
・住民を地域コミュニティ活動にいざなう推進力は、内発的な地域コミュニティ活動への参加意欲のようなもの。
・適切な動機付け、制度構築等を用意することにより、それがスムーズに引き出され、発現してくるのではないか。関心が低い住民の自覚を高めていくことも重要。
・制度構築等が「押し付け的」であっては、かえって地域コミュニティの力が減衰するおそれ。
・地域コミュニティ活動を行う地域住民そのものに力を与え、その自発性を一層引き出すには、具体的にはどうすればよいのかという視点も必要。長期的な夢やビジョンを議論し、共有する取り組みも重要。
・過疎地域においては、誇りや夢を持つことが難しくなっている場合がある。より積極的に、自らの地域に誇りを持つという運動、行政によるそうした運動の支援が必要。

(分野横断的な具体策の検討)
・プラットフォームの構築
 -各種団体が連携する場を、プラットフォームとして構築・整備することが考えられる。
 -地域コミュニティ活動のプラットフォームには、地域コミュニティの現状、環境、歴史に応じた多様な形態。
 -地方自治法上の地域自治区制度については、法律に基づき設置される地域協議会が合意形成の場として明確になるという点で、メリット。一方、地方自治法上の地域自治区は、使いにくいという指摘。
 -結局は人しだいであり、いかに人造りができるかという観点が重要。
・ICTの活用
 -地域SNS(Social Networking Service)を始めとするICTは、離れた構成員を結びつける、また、テーマ型コミュニティを形成するものとして有効。
 -安全性と利便性の間のトレード・オフ等いくつか留意すべき事項。
 -ICTは、かえって人を家の中に閉じ込めるのではないかという指摘。
 -リアルな活動とバーチャルな活動を組み合わせるという観点から「いかに使うか。」といったICTの存在を前提とした議論を深めていく必要。
 -CATVが媒介となって地域コミュニティの結びつきを強めている例(中海CATV、須高CATV)もある。
・行政の関与のあり方
 -地域住民は、地域コミュニティ活動を行うに当たって、行政への過度なお任せ主義から脱却する必要。
 -行政は、地域住民と協働する姿勢で地域形成をすすめていくべき。
 -行政は、地域住民の声にこれまで以上によく耳を傾けることが必要。
 -地域担当制、一括補助金(ブロックグラント)の活用も有効。
・専門家の活用・育成等
 -地域コミュニティ活動を進めるに当たって、合意形成のコーディネーターの役割。

(個別分野における具体策の検討)
・地域コミュニティの教育活動・子育て 
-地域住民がふるさとを学び、自らの地域に誇りを持つという運動が必要。
 -子供達を自然の中で教育することが、都市と農山漁村地域の連携体制の制度化により体系的に実施できないか検討していく必要。
 -あいさつを、ラジオ体操と組み合わせるなどし、学校教育の一環、地域コミュニティの教育の一環として、励行していくべき。
・地域の歴史・文化・景観等
 -地域の活性化のために、歴史・文化・景観を再認識し、それを資源として活かすことが重要。
 -自動車化の進展に伴い都市の低密度化が進んでいる場合、都心集積の再形成が、地域コミュニティ形成に向けての重要課題。
 -コミュニティ・バス等公共交通は、それに乗り合わせた人々の間に「ふれあい」を生むものであり、地域コミュニティ形成につながるもの。
・防犯・防災活動
 -防犯活動に当たっても、あいさつが有効。
 -豊かなソーシャル・キャピタルが自主防災組織の活性化を促し、活性化した自主防災組織はソーシャル・キャピタルを更に豊かにするという相互連関が必要。
・集落のあり方
 -集落を維持しようとする場合、集落機能が急激に低下する前に、集落を越えた広域コミュニティの構築等の対策を講じることが必要。
 -集落の崩壊の根底には、「誇りの空洞化」があると一部で言われている。地域住民が自らの地域を学び、誇りを持つという運動が必要。

(法的枠組みの検討も、「公」と「私」の関係の再構築)
・国においては、地域住民が地域コミュニティ活動を行いやすく、また参加しやすくなるような環境整備のための法的枠組みのあり方等についても検討してもよい時期。
・地域コミュニティ活動への参加は「私」(わたくし)事として受け止められてきた。地域コミュニティ活動こそがむしろ「公」(おおやけ)。団塊の世代が地域コミュニティに戻るこれからの時期こそ、真の「公」を優先できる機会。
・企業等も、地域コミュニティ作りに一層の社会的責任を担任することが求められる中で、従業員の社会活動参加がしやすい勤務環境を整えるといったようなことを率先していくことが求められている。
・様々な主体が地域貢献のために何ができるのかという観点で自らの立ち位置を省みる機会を持つことが重要。
・総務省も、引き続き地域コミュニティ再生に向けた施策を推進するために、体制を整備していくことが必要。

(重点分野)
以上のように、この研究会では、コミュニティ施策を全体としてカバーするような観点から検討が行われているが、特に重点を置いたポイントを3点挙げるとするとしたら、①プラットフォームの構築、②ICTの利活用、③コミュニティ再生の観点からの都市と農山村の教育交流の全国展開の3点である。以下この3点を敷衍する。

(プラットフォームの構築)
先ず、プラットフォームの構築に関しては、地域コミュニティ活動に当たっては、それぞれ異なる目的や機能を持った各種団体がバラバラに活動するのではなく、地域コミュニティの持っている総合力を活性化するという観点から、意見調整・合意形成等を行いながら連携することにより、各種活動をコーディネートすることが有益であり、こうした連携の場を「プラットフォーム」として構築・整備することが考えられると提言している。
 
このプラットフォームにおいては、地域の課題が共有され、地域コミュニティづくりの問題意識の方向性が共有されることが重要である。また、意思決定をする場合には、多様な関係者が参画し、意思決定の内容が公共的・合理的であることも重要となる。

他方で、地域コミュニティ活動のプラットフォームには、地域コミュニティの現状、環境、歴史に応じた多様な形態がありうる。公共的な事項を全て扱うのか、福祉等特定の事項を扱うのか、アドホックな事項を扱うのか、定常的に地域コミュニティの課題を扱うのか、市町村の区域の全体をカバーするのかしないのか、合意形成をするのか、公共サービスを提供するのか、といった選択肢がある。

プラットフォームの根拠についても、地方自治法、条例、要綱に基づくもの、事実上のもの等、様々なものがありうる。

いずれにせよ、プラットフォームを活用してコミュニティの活性化を如何に図れるかは、その使い方次第であり、総務省では、各地のベストプラクティスの収集、情報共有を行うことになると考えられる。長野県飯田市では、条例上の地域自治区を設置し、「地域協議会」の設置、各種団体(自治連合会、交通安全会、自主防災会等)の「まちづくり委員会」への再編などの取組みを行っており、宮崎県宮崎市では、地方自治法上の15の地域自治区を設置し、「地域協議会」がプラットフォーム的な役割を担っているが、こうした事例も参考になる。

(SNSなどICTの活用)
第二は、ICTの活用である。近年のICTの発展はめざましいものがある。現実問題としてもICTを活用しない生活は考えにくくなっている。地域SNS(Social Networking Service)を始めとするこのようなICTは、既にネットワークが構築されている場合に、離れた構成員を結びつける、また、テーマ型コミュニティを形成するものとして有効である。

地域SNSを活用すれば、地域SNS上で相談しながら、様々なリアルな活動につなげていくことも可能である。子育てをしている人など外出が容易でない人を結びつけることもできる。また、コミュニケーションのコストを低くし、忙しい勤労者等が場所や時間的な制約に縛られず情報共有を図ることができるという効用もある。
ただし、地域SNSを活用する場合には、安心して情報交換が出来る安心なシステム作りが必要であり、その上で利便性を高めることが必要である。

一方、ソーシャル・キャピタルの醸成に資するのは、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションであり、ICTは、かえって人を家の中に閉じ込めるのではないかという指摘がある。

ICTには、確かに負の側面があるものの、ICTを活用しない生活は考えにくくなっており、リアルな活動とバーチャルな活動を組み合わせるという観点から「いかに使うか。いかに安心して使えるようにするか。」といったICT技術の進歩やその存在を前提とした議論を深めていくべきである。様々な新しいICTツールを、どのように使えばソーシャル・キャピタルの醸成に資するかという視点にたち、身障者、子育て世帯、山間地居住者等社会参加に様々な制約を有する者を含め、あらゆる人々に何らかの形で参加を可能とし、促進するようなツールとして利用していく観点こそが重要である。

CATVもコミュニティツールとして重要である。地域のCATVの取材をきっかけとして、その対象者どうしがその後関係を築いていくように、CATVが媒介となって地域コミュニティの結びつきを強めている例(中海CATV、須高CATV)もある。地域コミュニティ活動をCATVのコミュニティチャンネルで取り上げるとともに、それをアーカイブ化し、その中で優れたものを全国放送するといったことも、地域コミュニティ活動のインセンティブ付け、成功事例の共有等の観点から有益である。

(都市と農山村の教育交流の全国展開)
第三は、都市と農山村の教育交流の全国展開である。地域コミュニティは、それぞれ多様なものであり、その再生には、地域の歴史や文化を知ることが不可欠である。地域住民がふるさとを学ぶ、あるいは自らが居住したり関係している場所を学ぶことで、自らの地域に誇りを持つようにするという運動が必要である。現在の日本の教育は、全国どこでも概ね同じであるが、特に子供達に対しては、小・中学校の段階から、日本のことを教えるだけではなく、自らの地域のことをしっかり教えることが必要である。

あわせて、子供達に、農業体験、地域貢献等の実体験の機会を提供することも有益である。子供達を自然の中で育てることにより、命の尊さなどを自然に学ばせることができる。このような教育が、都市と農山漁村地域の連携体制の制度化により体系的に実施できないか検討していく必要がある。こうした体験により子供達は第2のふるさとの思い出ができ、長い目で見て、都市と農山漁村地域の間に、互いの地域社会を思いやる気持ちが形成される。お互いの立場を思いやる気持ち、シンパシーを基盤とした都市と農山漁村地域の相互の協力・協調がこれからの地域社会のあり方にとっても不可欠である。

子供のうちに、地域コミュニティの支援を受けた集団合宿等を通じて、人との距離のはかり方を含めた社会性等を身につけさせることも重要である。その際、幕末期の薩摩藩において見られた郷中教育のように、年齢が異なる子供どうしで交流することも、互いに学び合うことになり、有益である。

子育て・教育を触媒とした地域コミュニティづくりが円滑に行えるように、地域コミュニティによる子育て・教育支援に、親に加えて、地域コミュニティの大人、更には団塊世代が積極的にかかわることができる環境を整備していくべきである。

なお、教育再生会議が、6月1日に「社会総がかりで教育再生を・第二次報告」を提出しているが、その中でも、「学校と地域が連携しながら徳育を実施し、自然体験や職業体験を行うことで、子供たちは、命の尊さや自己・他者の理解、自己肯定感、働くことの意義、さらには社会の中での自分の役割を実感できる」とし、全ての子供に自然体験(小学校で1週間)、社会体験(中学校で1週間)、奉仕活動(高等学校で必修化)を実施する提言を示している。

それによると、「学校は、子供たちの成長段階や地域の実情を踏まえ、全ての学校段階において体験・奉仕活動を実施する。国、地方自治体は、必要な援助を行い、条件を整備する。」とし、具体的には、
・小学校で、1週間の集団宿泊体験や自然体験・農林漁業体験活動を実施。
・中学校で、1週間の職場体験活動を実施。
・高等学校で、奉仕活動を必修化。
について提言している。

この提言は、コミュニティ研究会の考え方とまったく同じであり、システムの早期の具体化が期待される。

(自民党の地方行政調査会も提言へ)
総務省の研究会とは別に、自由民主党の地方行政調査会でも5月30日に、「地域社会の再生に向けて(パブリックマインドの蘇生のために)」と題する報告書をまとめている。

その発想は、「様々なコミュニティ活動が行われてきているところであるが、国としても全ての地域に共通する課題としてこのような取り組みを強く後押しすべき時ではないか」との観点に立ち、「コミュニティ基本法(仮称)を制定することなどにより、地域社会を思いやりと協力の場として明確に位置づけ、多くの人々がコミュニティ活動等に参加し易くし、それが評価される枠組みを提供する」として、以下の具体的対応を提言している。

具体的対応策(案)
・コミュニティ基本法(仮称)の制定
・都市と農山漁村の義務教育段階の交流の制度化による教育再生と地域活性化
・町内会長等への叙勲授与、地域の(スポーツ少年団等の)指導者等に対する表彰等の制度化
・個人情報保護法の適正な運用が行えるような政治的メッセージの発出
・このほか、以下のような地方公共団体等の取組の支援
 -コミュニティ条例等の策定
 -町内会等地縁団体を含めた各団体の連絡調整をするシステム(プラットフォーム等)の構築
 -退職後の団塊世代の、コミュニティ活動のコーディネーター等としての活用
 -コミュニティ活動の「専門職」の育成・確保
 -コミュニティ活動へのICTの一層の活用
 -コミュニティ活動のCATV等での紹介
 -学校教育等におけるコミュニティ活動の積極的な位置づけ
 -コミュニティ活動、教育における、異年齢交流の促進・制度化
 -あいさつ、ラジオ体操の励行
 -地域・学校と、ボーイスカウト等との密接な連携
 -集落機能の低下に対応した「広域コミュニティ」の構築
 -シンポジウムを始めとする「地域の誇り」を再生するような施策の実施
 -コミュニティ内部での情報管理に関する紳士協定等の策定

自民党の地方行政調査会は、更に、コミュニティ基本法に関しても、その骨子を示している。

コミュニティ基本法(仮称)骨子(案)
○ 目的
・コミュニティ活動に関して、基本理念、国、地方公共団体、事業者、国民の役割等を明らかにすること等により、国民による自主的・自律的なコミュニティ活動の活性化並びに国民の思いやり、協力及び信頼関係の醸成を図り、もって公共の福祉の向上に寄与することを目的

○ 基本理念
・少子高齢化、ICTの発展等に対応したコミュニティ活動の実施を推進
・国、地方公共団体、事業者、国民等が適切に役割分担し、コミュニティ活動の活性化を推進
・公共の精神(パブリックマインド)に基づき、開かれたコミュニティづくりを推進
・地域住民の連帯感の維持・一層の醸成を推進

○ 国民への期待
・国民は、コミュニティ活動を行い、もって公共の福祉の向上に寄与することが期待される

○ 事業者の役割
・事業者は、その従業員が休暇を用いてコミュニティ活動を行おうとする場合にあっては、その円滑な取得に配慮するよう努める

○ 地方公共団体(主として市町村)の役割
・地方公共団体は、国民のコミュニティ活動への参加環境の醸成に努める
・地方公共団体は、コミュニティ活動に関する計画を策定すること、条例等の制定を通じコミュニティ活動に関する政策目標を設定すること等を通じ、コミュニティ活動の活性化に努める
・地方公共団体は、コミュニティ活動に関して、情報提供、公共施設の利用促進並びに学校教育、防災・防犯及び各種相談業務等との連携その他の必要な措置を講じるよう努める
・地方公共団体は、その職員をして、職務としてコミュニティ活動の支援等をさせることができる
・地方公共団体は、その職員が休暇を用いてコミュニティ活動を行おうとする場合にあっては、その円滑な取得に配慮するよう努める
○ 国の役割
・国は、コミュニティ活動に関する施策を講ずる地方公共団体に対して、適切な支援を行う(例 情報提供)
・国は、コミュニティ活動を支援する観点から、必要な制度改正を行うとともに、税財政上の措置を講ずるように努める
・国は、その職員が休暇を用いてコミュニティ活動を行おうとする場合にあっては、その円滑な取得に配慮するよう努める

(それぞれの立場で「おおやけ」の心を)
報告書は、最後に、これからのわが国の生き方の基本に触れるコメントを残している。「おおやけ公」と「わたくし私」の関係についての視点の転換についてである。

仕事優先のこれまでの日本にあっては、ともすれば、仕事が「おおやけ公」で、地域コミュニティ活動への参加は「わたくし私」事として受け止められてきた。「仕事があるから」ということは、地域コミュニティ活動を断る免罪符でもあった。しかし、仕事は個々人の「稼ぎ」であり、今は、地域コミュニティ活動への参加こそがむしろ「おおやけ公」なのであるという意識への転換が求められている。
団塊の世代が会社組織から解き放たれ、地域コミュニティに戻るこれからの時期こそ、真の「おおやけ公」を優先できる機会であると考えるべきである。
地域社会から青年・壮年層を囲い込んできた企業や事業所の側も、職員の雇用を確保し納税をするという社会的責任を果たすことに加え、地域コミュニティ作りに一層の社会的責任を担任することが求められている。こうした中、例えば、職員の採用に当たって地域コミュニティ活動の実績も含めて評価し、従業員の社会活動参加が十分しやすい勤務環境を整えるといったようなことを率先していくことが求められている。この関連では、女性の労働力を活用し、働き盛りの40~50代の男性の地域コミュニティ活動への参画の時間を確保するという観点からの、男女共同参画の推進も重要である。
これからは、行政、地域住民、企業等の世の中の様々な主体が、地域貢献のために何ができるのかという観点で、自らの立ち位置を省みる機会を持つことが重要である。

総務省が本格的にコミュニティ施策乗り出すのは、昭和40年代以来のことである。その意味では、現時点は、第二期コミュニティ施策のスタートでもある。その観点から、報告書では、「総務省においても、今般のコミュニティ研究会の提案等を踏まえ、引き続き地域コミュニティ再生に向けた施策を推進するために、体制を整備していくことが必要である。」と結んでいる。真剣に受け止めてゆきたい。

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