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June 10, 2007

「生け垣条例」のある農家「蔵」のまち

平川市のNPO法人「尾上蔵保存利活用促進会」の佐藤正彦常務理事から、尾上地区に残されている、農家の蔵の保存と利活用の実際について、まちを歩きながらお話を承りました。

合併して平川市となった旧尾上町は、リンゴや米といった農業生産を生業としてきた町なのだそうですが、昔から植木販売・造園業者が多く、各家庭には庭(つぼ)と言われる庭園が数多くあり、農産物の倉庫として活用されてきた漆喰の蔵とともに特色ある農村景観を形成してきたのだそうです。

その景観の3点セットが、蔵・庭園・生け垣で、特に蔵は334棟が現存し、そのうち私どもが訪問した世帯数271の金屋地区には78棟の蔵があり、うち22棟が登録有形文化財に指定されているのだそうです。戸数271戸の金屋地区には、造園業者が3軒もあるのですから驚きです。地区単位で言うと、造園業者率日本一、かも知れません。
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佐藤さんの話では、今では蔵を建てる職人がいなくなり、蔵は保存しなければ自然に廃れてしまうとの危機感をお持ちでした。そこで「この地域の蔵は後世に残すべき文化遺産であり、蔵保存と利活用活動を推進する」ために、平成14年にこのNPOを設立したのだそうです。

蔵の意義に気がつかれたきっかけは何ですか、と伺うと、佐藤さんは、「実はグリーンツーリズムをやっていて、これを進める上で、この地域の特色は何であるかを考えたところ、農家に残っている蔵のことが自然に頭に浮かんだ」ということでした。

実際に、ファームステイなどを行っている中で、この地を訪れた子ども達は、美しい景観の尾上地区を第2のふるさととして心に刻んで帰っていくのだそうです。わずかの期間の農家民泊の後の生徒達と農家の人との別れは、「涙涙」なのだそうです。子ども達は、異文化や世代を超えた人とのふれあいに渇望しているのかも知れません。そしてこの感動は、大人になっても忘れることはないのです。

ところで、旧尾上町の時代からこの地には「生け垣条例」があるのだそうです。まちを歩きながら、私が佐藤さんに、「このまちには生け垣がまだ残っていますね。ブロック塀が随分と目立ちますが、蔵を保存するのに併せてブロック塀も昔の生け垣に戻す運動が必要ではないでしょうかね。そのために条例を作るような話はないのですか」と申し上げると、「この地域には生け垣条例があります。」との答えが帰ってきました。070608_13330001

後で、インターネットで調べると確かにありました。余り聞いたことのない条例でしたが、嬉しい取り組みです。地域の人が自分たちの出来ることで地域の誇りの形成に参加する気持こそが、地域の元気に繋がるのですから。

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