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May 20, 2007

ブロードバンド環境整備で元気が出ている沖縄の離島

5月19日の土曜日、大野松茂総務副大臣の随行で沖縄に日帰り出張してきました。「頑張る地方応援懇談会」の沖縄版でした。

翁長雄志那覇市長、伊波洋一宜野湾市長、大濱長照石垣市長、伊志嶺亮宮古島市長、古謝景春南城市長、新垣清徳中城村長、城間俊安南風原町長、仲村三雄座間味村長、西銘真助伊平屋村長、平良朝幸久米島町長と総務省幹部との意見交換会でした。070519_14500001070519_14490001

いかにも沖縄らしい苗字の市町村長さんとの会合になり、他の地域とは異なる何ともエキゾチックな雰囲気を感じました。仲村座間味村長とは、約2年ぶりの再会で、「その節はどうも」、と改めてご挨拶申し上げました。

会合自体は、各市町村で「頑張る地方応援プログラム」を実際に策定している大詰めの時期でもあり、首長さんからは、各市町村での具体的プログラム構想を頭に描きながらの意見が出され、次第にこの意見交換会も議論が総論から各論の中味に収斂しつつあることを感じました。

翁長那覇市長からは、①「協働のまちづくり」を進める中で、ゴミの減量に成功していること、②公園、花壇の手入れをNPO、ボランティアにお願いして経費が大幅に削減されていること、③学校現場でリタイアした先生が教室の外でゴザを敷いて学習に遅れが見られる生徒の特訓を行い、他の生徒についていけるように工夫している取り組み、などのご紹介があり、こうした地道な取り組みを頑張るプロジェクトに取り入れていきたい旨の意思表明がありました。頑張るプログラムの趣旨を踏まえた嬉しいお話でした。

伊波宜野湾市長からは、当然のように普天間基地の将来の跡地利用のお話が出ましたが、農業の振興についてのお話が印象的でした。宜野湾市では、タロイモの一種の芋を栽培しているのだそうですが、これを何とか振興したいとの意思表明がありました。

大濱石垣市長からは、離島にも拘わらず人口が増えているとの嬉しい話がありました。住民登録人口以外に4-5千人の人が滞在しているのだそうです。市で特に力を入れているのがパパイヤの栽培で、最近、国際農業研究センターとの協力の下、粒ぞろいのパパイヤを生産できる技術開発に成功し市が特許を取得し、全面的展開を目指したいとの意気込みが示されました。但し、ハウス栽培が必要なため、台風にも耐える頑丈なハウス建設が不可欠で、この資金手当を工夫したいとのお話がありました。

石垣のパパイヤは、ウリミバエが根絶されているため、諸外国からの輸入物と異なり検疫が不要で、品質と価格において大きな競争力があるのだそうです。今は年間170トンの生産ですが、5年後には4倍にしたいとの計画もあるのだそうです。付加価値の高い農産品で頑張りたいとの前向きの姿勢に心強いものを感じました。

伊志嶺宮古島市長は、地下水に頼る島の生活を逆手に取り、水の保全を課題として、「エコアイランド宮古島」をスローガンに様々な取り組みを進めている現状のお話がありました。具体的には、サトウキビの廃糖蜜からエタノールを生産、風力発電、グリーンベルト、グリーンネットワーク、「八重びし」と呼ばれる珊瑚礁を守る珊瑚礁ガイドの要請、海洋漂着物利用のアートコンクール、エコツーリズム・グリーンツーリズム・ブルーツーリズム振興、トライアスロンなどのスポーツアイランドづくり、プロ野球のキャンプ地づくりなどの取り組みの紹介がありました。

特に興味深かったのは、地元の農林高校の環境問題への取り組みで、宮古島が地下水に頼っている現状を踏まえ、環境に優しい農業用水の在り方を研究し、その成果は「水のノーベル賞」と言われる「ストックホルムの水大賞」に輝いたのだそうです。

大野副大臣は、たまたま文部科学政務官の時に、この取り組みの文部科学大臣表彰に立ち会ったのだそうで、実際に素晴らしい実績だと大野副大臣も激賞されておられました。同様の取り組みが他の地域の農林高校にも波及していっているのだそうです。

古謝南城市長は、土地利用計画の見直しが市の発展に重要だという認識を示されるとともに、市の離島である久高島の留学センターの活動実績を強調されていたのが印象的でした。

この久高島留学センターには全国から児童が集まってきているのだそうですが、ここでの合宿生活の成果は目覚ましく、皆明るく自立して巣立つのだそうです。古謝市長は、「この子達がいずれ久高島や南城市の強力なサポーターになってくれることは確実であり、市としてもこの取り組みをサポートしていきたい」との力強い意思表明がありました。

私からは、総務省のコミュニティ研究会で、現在都市と農村の教育交流の全国展開の構想を温めており、先進事例の久高島の例も参考にさせていただきたいと、差し出がましいながらも思わず我が意を得たりのコメントを差し上げてしまいました。

新垣中城村長からは、基地に「近接」している自治体の悩みの披露があり、また、世界遺産のグスクを抱えている中での観光振興についての抱負が述べられました。

城間南風原町長からは、カボチャ、絣(かすり)といった特産物の生産についての抱負が述べられ、町の総合計画策定に当たって、町民と役場の職員が協働した実績についてお話がありました。

2年ぶりにお会いした仲村座間味村長からは、ブロードバンド環境の完備により、「電波環境が距離を克服する」こととなり、スキューバのメッカの慶良間が更に活気が出ているお話がある一方で、珊瑚礁を守るための下水道整備、ゴミ焼却場整備などの環境投資による村財政の悪化は深刻で、実質公債費比率が30%に達し、自治体財政の再生法制では、再生計画が必至となる状況にあり、苦慮しているとのお話がありました。

法定外税の「入島税」を実施しているご紹介、黒字運営であった2隻の高速艇運行が、燃料費の高騰で遂に赤字運営に陥ったことなどの最近の話もありました。

私も、座間味村を何度か訪問しているだけに、嬉しい話と心配な話が混じり合った村長の話に、少々複雑な心境になりました。しかし、沖縄戦時の悲劇を乗り越えてこられた仲村村長にとって、解決不可能な問題ではないように思われます。

西銘伊平屋村長からは、離島におけるブロードバンド環境の整備により、キビ、米、もずく、ヒラメ、ハタ、パパイヤといった島の特産品を若手がネット販売できるようになり、活気が出ているとのお話がありました。もずくは生産量が2億円のところ、島根県は同量を16億円で付加価値を付けて売っており、単なる原材料生産ではなく付加価値を付ける努力も試みたい旨抱負を語っておられました。

平良久米島町長からは、深層水利用による温度差発電の構想、地産地消による島内の自転経済構想といったお話がありました。

沖縄県内の市町村長さんのお話は、総じてとても希望に溢れた内容が多かった印象を持ちました。特に農業や観光・スポーツ、教育交流により沖縄を元気にしたいとの意気込みが端的に伝わってきます。インターネット環境の整備は、空間的なバリアを大きく減じる役割を確実に果たしています。首長さんからは、異口同音に、ブロードバンド整備の威力は大きいとの実感が述べられていました。これは、今回の一連の頑張る地方応援プログラムの全国行脚の中では、特に印象的な発言でした。

沖縄総合通信事務所次長の塩谷淳一氏も今回の会合に参加していましたが、こうした首長さんの声を嬉しそうに聞いていました。だたし、更なる高速インターネット化の要望に関しては、「民間事業者の役割が・・・」という話になり、奥歯にものの挟まった言い方になっていました。私からは、無線ランのWiMAXの整備の動きもあり、更に期待が持てるとのお話を付言しました。

会合の後、牧志の公設市場、首里城を駆け足で巡り、日帰りのもったいない出張を終えました。官庁のトップの政治家と官庁の職員が、たとえ短い間でも一緒に地域を回り、地域の方々の声を聞き議論をしてくることがとても大事なことだということを、今回も感じました。070519_16390001


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