« 宮崎市地域コミュニティ税に関する自治会長さん達の意見 | Main | MMMとMTM »

April 29, 2007

「農村は民族の苗代」

都農町→宮崎市ときて、翌日の4月28日の土曜日の昼過ぎから、「頑張る地方応援プログラム」の宮崎県内の市町村長さん達との意見交換に臨みました。

国の側の親分は、大野松茂総務副大臣です。大野副大臣は狭山市で農家を営まれ、若い頃市立の中央公民館長を務め、その経験から、関係者に推されて県会議員となり、更に狭山市長、国会議員と階段を上がってこられた方です。

話をしていると、お人柄の良さが伝わってきます。私たちのぶしつけな質問や意見にも耳を傾け誠実にお答えいただけます。

宮崎の懇談会でも、10名の市町村長さんから、異口同音に国の進める構造改革に対する懸念の声が出されました。ご意見はそれぞれ実感のこもったもっともなものばかりです。

これらの意見に対して、大野副大臣は、とても味のある答えをされておられました。

・私は、「農村は民族の苗代」だと喩えている。
・農村の田んぼで育った苗(若者)が村を離れて都会に出て行く。
・若者は都会で働き稼ぎ税を納める。農村は人材供出だけで見返りがない。
・しかし、地方交付税という仕組みがその役割を果たしてきた。
・都会の人から交付税に対する文句が出ると、私は、「交付税は親元への仕送りだ」と言って説得してきた。
・田舎出身の働き手はそれで納得した。
・しかし、時代が移り、親も都会育ち、息子は都会の二世三世になってくると話が変わってくる。
・親元への仕送りということでは納得してもらえない状況が出てきた。シンパシーが無くなってきた。これはゆゆしきことだ。

この様な説明をされておられました。これに対しては、宮崎県の市町村長さんも頷いておられました。役人ベースの説明にはない、フレーバーといったものが感じられるのでしょう。

会議のあとで、大野副大臣は、とにかく都市と農村の子供の交流が不可欠だ。都市の子供が農村を知らないで成長していくととんでもないことになる。この問題に真面目に取り組まないといけない、との考えをお持ちであることがよく分かりました。

宮崎県内の町村長さんたちも、ひたひたと進行する少子化の中で、地域に若い力を引き入れようと必死にもがいています。北郷町長は幼・小・中の一貫教育で、子供達を地域に引き入れようと考えておられるとのことです。

一方で、椎葉村長は、「地元に高校がないので、中学を卒業すると全員高校進学のために村を去り、下宿生活に入る。高校から下宿すると一人あたり10万円かかる。二人だと20万円だ。若い夫婦にもう一人子供を作ってくれとお願いしても、林業が今の状態でとても子供の教育費が出せない、と、3人以上の子供を控えている。これにより過疎の村はどんどん少子化が加速する。それどころか、3400人の村で、適齢期の男性240人が嫁をもらえずに困っている。限界集落の問題は非常に深刻だ。」と発言されておられました。

上流部の椎葉村が山林整備を放棄し、下ってくると、山は荒れ、水害の危険は更に高まることも容易に予想されます。人工林にした以上、人がいてこそ環境が守られるということもあるのです。

宮崎に来て市町村長の皆様の切実で深刻な話を伺っていると、国土保全という観点で、もう少し長期的視野でものを考えないと、敷島の大和の美しい国は幻想になりかねない危機感を覚えてきます。

都市と農村の連携を図る観点も踏まえた子供の教育の在り方も含め、大胆な絵図を書いていく必要がありそうです。

ところで、午前中は、宮崎神宮をお参りしました。ホテルから約50分の距離を歩いてしまいました。宮崎神宮は楠や杉の巨木が生い茂り、鬱蒼としていました。長い年月にわたって引き継がれてきた神社の佇まい見ていると、市場経済って何なんだろう、と思ってしまいます。ほんの数十年の歴史しかない、未成熟なフィクションのような気もしてきます。

人間の欲望の世界と人間の精神世界・環境保全の世界とは、明らかに異なる原理が妥当するように思われます。エゴライフかエコライフか、というくらいの違いです。祖先を祭り、鎮守の森を乱開発から守った智恵は、民族の智恵です。農村が「民族の苗代」だとすると、神社は「民族の精神の淵源」なのでしょうか。
Photo_33

Photo_34

|

« 宮崎市地域コミュニティ税に関する自治会長さん達の意見 | Main | MMMとMTM »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/58165/14880233

Listed below are links to weblogs that reference 「農村は民族の苗代」:

» 有田交通 [有田交通案内]
有田交通に関する情報が満載です [Read More]

Tracked on April 29, 2007 at 02:58 PM

» 東京都世田谷区高校 リスト① [東京都世田谷区高校調査]
東京都立世田谷泉高等学校〒157-0061 東京都世田谷区北烏山9-22-1TEL:03-3300-6131 FAX:03-3300-3687世田谷工業高等学校〒157-0066 東京都世田谷区成城9-25-1 Tel:03-3483-0204 Fax:03-3483-1194駒場東邦高等学校〒154-0001 東京都世田谷区池尻4-5-1 TEL:03-3466-8221(代表) FAX:03-3466-8225東京学芸大学附属高等学校〒154-0002 東京都世田谷区下...... [Read More]

Tracked on May 04, 2007 at 07:45 PM

« 宮崎市地域コミュニティ税に関する自治会長さん達の意見 | Main | MMMとMTM »