g-word
朝日新聞の時事英語の欄に、見慣れない英語が載っていました。g-wordという言葉とelephant in the roomという言葉です。
“The g-word is the elephant in the room in the presidential campaign.”というのが全体の文章ですが、g-wordは、「gで始まるあの言葉」という意味で、この文章中ではglobalizationなのだそうで、elephant in the roomは、「触れたくないが無視できないもの」の意味があるのだそうです。
フランス大統領選挙戦の記事からの抜粋だという紹介がありましたが、欧州でも日本と同様に、グローバリゼーションの嵐が吹いているようです。
嫌が上でも厳しい国際競争のまっただ中に身を曝す各国の苦悩が選挙戦の争点になっているのでしょう。日本もグローバリゼーションに対応するための規制緩和、雇用慣行の大改革、その結果の非正規雇用の激増は、古き良き日本的慣行を嫌が上にも変えつつあります。
経済構造の変化は後戻りがしにくいものです。まるで川の水の流れのようです。それを前提に国民統合をどう図り、社会政策をどう構築するかということが問われていますが、経済財政諮問会議のメンバーには社会政策、労働政策の専門家はいません。政府側の他は、規制緩和論者に立つ経済学者と経済界の出身の方ばかりです。
組合の組織率が低くなり、働く人たちの声は、かき消されてしまっています。その日その日を明日への展望無く働く若年層の絶望感は想像に難くありません。公務員をはじめとして正規雇用で守られている被用者層に対する眼差しも厳しくなっています。その声に答えるとなると、勤労者の給与水準の引き下げに更に拍車がかかってゆきます。
そのことで安い労働力が更に確保できると喜ぶ人たちもいるのでしょう。それもひとつの資本の論理ですから。
我が国でも、参議院選挙を前に、g-wordという言葉が気にかかる言葉として一般に通用するかも知れません。
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