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March 01, 2007

フェラインを通じたドイツのコミュニティ活動

職場の先輩でドイツに3年在住経験のおありの石川義憲さんから、フェライン(Verein)と呼ばれるドイツのコミュニティ活動の中核的団体の機能についてお話を伺う機会がありました。まとまって地域活動をすることが民族の文化となっているドイツ人の特質を興味深く伺うとともに、同じく成熟しつつあるわが国への示唆も含む話として勉強になりました。

石川さんは、日本と比べたドイツの背景の特殊性についてお話をされた後、フェラインをベースにコミュニティ活動を行うドイツ人の現況などについて以下のような説明をされました。

・ドイツにおいては、コミュニティの基盤が日本と若干異なる。まず、教会活動が盛んであり、潤沢な財源をもとに教会がボランティア活動を行っている。ドイツでは住所登録を行う際に、「宗教」の欄にキリスト教と記入すると、所得税の10%の協会税が課税されるが、これが貴重な財源となっている。更に、連帯を叫ぶ国民性がある。選挙は、地方選挙から国政選挙にいたるまで比例代表制で、政治家になるのも団体代表だ。とにかくグループで行動しようとする。
・ドイツでは、1970年代に、年間労働時間が1500時間になり、余裕のできた時間を社会参加と向き合うことになり、特に、まちづくりに熱心になった。
・良心的兵役拒否の代替としてのボランティア義務も、コミュニティ活動の活発化につながる重要な要素だ。
・市民活動が特に盛んな分野はスポーツ。様々なクラブチームがある。このほか、消防・救急など様々な分野において活動が行われている。
・ドイツ人は特に、フェラインという社団の形式を好む。日本で言えば、NPO法人と理解してもらって構わないと思う。これは、構成員7名以上等の要件のもと登記するものである。ドイツ全体で約20万のフェアインがあり、1人あたり、約4つ入っている。
・ドイツ人は、ボランティアに対し意欲がある。また、就業者でボランティアを行っている人が多いのも特徴。生徒や学生の参加も盛ん。教育の中でボランティアを位置づけているのもその背景。
・東西ドイツの統合以降ドイツも深刻な財政危機にあり、行政改革を進め効率性を重視してきたが、それにより、正統性の危機が起こり、改めて市民参加による正統性を重視する動きが出ている。
・例えば、プールをフェラインに管理してもらうというように、サービスを市民自らに供給してもらうということも行っている。しかしながら、全て市民に行ってもらうことへのコンセンサスは取れていない。限界を探りながらという状況だ。
・連邦政府にも、市民参加委員会が設けられ、市民社会のあり方が模索されている。グローバリゼーションの高まりの中でゲゼルシャフト(利益集団)の勢いが増しているからこそ、ゲマインシャフト(非利益集団)の機能の高まりも求められている。

日本の中でもコミュニティ活動重視の動きが出ていますが、世界的に同じような潮流があることに、ある意味の共感も覚えます。

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Comments

コミュニティ社会の足元をしっかりしておかないと、グローバリゼーションの流れの中で、流されてしまいかねないということですね。再度のご指摘有難うございます。

Posted by: むーさん | March 05, 2007 10:48 AM

私のプレゼンテーションを紹介いただきましたので、少しコメントさせていただきます。ドイツでは、比例代表制は、議員選挙はもちろんですが、小中学校の生徒会や労働組合の役員の選挙に至るまでそうです。日本では欧米コンプレックスのためか個人の確立がいいことでグループで行動するのはなにか卑しいことのように思われる傾向がなきにしもあらずですが、地域の小さなグループで徹底した討論を行い皆で意見をまとめあうことは地域社会の形成に重要で、そういった訓練をドイツ人は幼いことから積んでいます。
昨年出版されたP.F.ドラッカー経営論(ダイヤモンド社)の巻末にアメリカ社会のダイナミズムという討論会の議事録が収録されていますが、討論者の一致した意見の一つに、アメリカ社会の特徴はコミュニティへの責任を持ち合わせた市民の存在であり、個人主義を誇る人々で構成されているアメリカ社会にかかわらず、集団行動が顕著であり、これが社会と経済の二つの分野における成果を現実社会で実現させた(同書p768)という記述があります。1950年代初めの討論会ですが、今でも説得力があります。グローバリズムには、コミュニティ社会という前提があることを忘れてはいけませんね。

Posted by: 石川義憲 | March 04, 2007 11:47 PM

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