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January 14, 2007

地域社会の潜在力を引き出すSNS

最近になって、全国系、地域系の複数のSNSに参加し、バーチャルコミュニティというもへの参加の実感を味わっています。

幾つかのコミュニティを訪問していく中で、貴重な情報に接することも多々あります。

例えば、「安曇野アートライン」というものがあると知りました。私の本籍地の安曇野に点在する美術館約20館をラインで結んだものです。(http://azumino-artline.net/about/)

美術館の数の多さだけではなく、個々の美術館がきわめて個性的で、自然環境・景観がアートそのものになっていることが素晴らしいとの認識に立っています。

これから帰省した折りには、アートライン加盟館をひとつひとつ訪問して歩くのも面白いと思えてきます。

ところで、地域SNSの役割は、大変大きなものがあるように思われます。少子化や高齢化、地域格差の拡大などが懸念されている中で、その鍵を握っているのは、コミュニティに潜在する地域力であると言われております。地域SNSは、その潜在能力を引き出す媒介として機能しうるのです。

さて、実際にSNSの兵庫県域の地域SNSの運営にあたっておられる方が、SNSの機能・特徴と運用のノウハウについて、興味深い分析を行ってくれています。実感がこもっており、大変参考になります。

以下ご紹介申し上げます。


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 利用者にとってSNSという存在は、他のコミュニケーションツールと比較して依存性が非常に高い。常時接続性を醸し出す友達との日記やコメントのやりとりや、掲示板を使った仲間とのコミュニティでの楽しみなど、毎日アクセスしたり長時間接続したりする利用者の割合が圧倒的に高いからである。となると、一旦SNSを始めてしまうと、それを閉じるときには相当のエネルギーが必要となる。なにも周到な準備と覚悟を持って開設しなくてはならないと言うつもりはない。ただいくつかのポイントをきちんと押さえてスタートラインに立てれば、失敗の確率は大幅に下がる。

○最初のメンバーが色を決める
 スタート時点の仲間たちが、そのSNSのカラーを創り出す傾向が強い。できるだけ多様な立場の人たちを加える努力をしておくと、SNSの裾野は自然と広くなり、自然に話題は広範となって、SNS全体の活性化につながる。
○スタートには助走が必要
 十分な告知ができない内に突然開設しても、にぎわいが出るまでには至らない。大手のSNSにコミュニティを設置して仲間づくりをしたり、アンテナショップ的な役割を担わせて人材の流入を図るなどの方策が必要である。
○熱い鍋を冷ましてはいけない
 開設時から参画している仲間たちは、SNSに関して総じて「熱い」。ここに「とりあえず入ってみよう」というような「冷めた素材」を加えると、鍋の温度が下がり全体のムードが低調になる。鍋を熱く保つ方法を考慮しておく必要がある。
○人数を追うと破滅に繋がる
 運営を軌道に乗せるにはある程度の参加者数が必要となるが、安直に人数の増加を図るとSNSの持つ信頼性を失う場合が多い。実際の出会いを介したイベントや参加者による招待を通じて、地道に拡大することが肝要である。
○完璧は成功の敵である
 SNSのシステムは、いつまでも成長を続ける「永遠のβ版」である。常にニーズに耳を傾け、利用者とともに活用を議論し、できる限りタイムリーに機能実装を行う。この開発姿勢が、全体でSNSを育てる気運につながる。
○いいかげんは良いかげん
 周到な準備を行うことは悪いことではないが、綿密すぎる計画は往々にして参加者の自発を損なう。誰もがいつでも自分の持てる能力で輪の中に加わることができる、ほどよい「脇の甘さ」を創り出すことが大切である。
○運営者自身がSNSの顔になる
 運営者の顔がよく見えるサイトとその姿すら見えないサイトでは、利用者が安心して楽しめる雰囲気に大きな違いがある。トラブルやクレームが発生した時にだけ出現するのではなく、利用者に限りなく近い位置で共に関わる姿勢が必要である。
○地域であるメリットを十分に活かそう
 「スープの冷めない距離」にいる利用者たちは、実際に相互に出会おうと思えば難なく接触できる。人は良い関係でつながると更にその紐帯を強くしようと動く。運営者はそんな動機付けを実現できる機会を、実社会の中で提供していく努力が求められる。
○(Web)2.0的にいこう
 人がつながるだけでは何も起こらない。運営者は常に、「集合知」を形にするボランタリーなアクションをSNSの中で仕掛けることに心がける。多様な利用者の組み合わせを実現することで、新たな地域のムーブメントを巻き起こすことができる。
○地域SNSは、時代の救世主かも知れない
 さまざまな社会の歪みが露呈してきているにも関わらず、だれも具体的な解決策が提示できない今日。その解を持っているのは、コミュニティに潜在する地域力であると言われる。地域SNSは、眠れる可能性を引き出す救世主として今、ここにあるのかも知れない。

過日、NHKのプロデューサーの話として、地域の底力を上手く引き出している成功例は若者の参加を得ているところ、という話をご紹介申し上げましたが、SNSなどに参加する人は若い人が多いことを考えると、コミュニティツールとしてのSNSは地域と若者を引き合わせる媒体となる蓋然性があります。

引き続き、SNSの活動を観察していきたいと思います。

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