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December 31, 2006

エキスペリエンツとしての団塊の世代

2007年は、団塊の世代が引退し始める年であり、これにより社会の各方面に生じる問題を「2007年問題」としてこのところ大きくクローズアップされてきています。

定年を60歳とすれば、1947年生まれを中心とした団塊の世代の退職者が最も多く発生するのが2007年といわれているからです。

労働力人口の減少、退職給付の負担増、企業収益の低下、技術・技能の継承への不安、貯蓄率の低下、社会保障給付費の増大、経済成長率の低下などのマクロ経済へのマイナス要因が懸念される一方で、雇用過剰感の解消、企業にとっての人件費の減少、個人消費の活発化、巨額の退職金による消費市場の発生・金融資産運用の拡大などのプラスの局面も見込まれます。

この2007年問題に関して、作家の堺屋太一さんが、「エキスペリエンツ」という本の中で、30年間の知識経験を生かせば相当のことができるという想定事例を小説の形で描いています。商店街の再生に元銀行マン、建築家、イベントプロ、元商社マン、福祉NPO代表などが、「高齢者が歩いて暮らせる街を作る」といコンセプトに基づき、困難なプロジェクトに立ち向かうというものです。

「故郷を去って大都会に集まった団塊の世代は、地域コミュニティも大家族も捨てて職場人間になったが、退職によりようやく職場の拘束から離れて自分の好きな夢を追える年代に達した」という前向きな位置づけを行い、「団塊の世代は、これまでもそうであったようにこれからも数々の流行と需要を生みだし、新しい概念と社会構造を創造するだろう」と断言しています。

人口減少社会が到来し、中国などの近隣諸国の急成長に押され、日本経済の黄昏が囁かれている中ではありますが、ものは考えようだという堺屋さんのこの本には元気づけられます。

地域社会・コミュニティの再生や教育力の再生などに、自由時間が増え、資金力・能力・意欲のある団塊の世代の力は確かに期待が出来ます。この本の中にもあるように、団塊の世代の力を引っ込めるのではなく、更に引き出せるような社会システムを作っていけるかどうかが、日本の閉塞感突破の鍵なのかも知れません。

2007年は、様々な観点で団塊世代活用論が論壇をにぎわすような気がします。


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