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October 28, 2006

披露宴に小中学校の恩師を呼ぶ習慣

10月28日(土)の午後、長野市で知人のお嬢さんの結婚披露宴に出席してきました。新郎新婦とも30歳を超え、既に社会人として地域社会に根を下ろし活躍しているカップルの誕生でした。

司会の方の新郎のプロフィールの紹介の中で、新郎が車に凝って、だいぶ資金を注ぎ込んでいるとのお話があったので、私の挨拶の中で、「家庭を作った以上、これからは財政資源の制約の中で、資源配分の優先順位を見直し、いずれ生まれるであろう子供、家庭の視点から考えていって欲しい。このことは、国・地方の財政も同じで、人口減少社会に対応した財政構造改革を現在進めている。新郎も、財政改革を心がけて欲しい」などと、新婦側に立った(?)発言をさせていただきました。

ところで、たまたま隣同士に座った社団法人「信濃教育会」の「教育博物館」副館長の小林澄男さんとお話しすることが出来ました。「教育博物館」とは珍しい組織ですね、と伺うと、この組織が「信濃教育会」の下部組織であること、「信濃教育会」が今年で創立120周年になること、「信濃教育会」は教員の研修までも自前でやっている自律的な組織として全国的に有名であること、大正デモクラシーの中で民権運動をバックアップした時代もあったこと、一方で戦時体制の中で国策に呼応し満蒙開拓青少年義勇軍送出に協力した時期があったこと、昭和21年には「信濃教育会」が再発足し、「二度と教え子を戦地に赴かせることがないこと」を誓ったこと、などを御教示いただきました。

信濃教育会が、長野県教育に多大な貢献をしてきたことは知らない人はいません。唱歌「信濃の国」も信濃教育会が「信濃教育会雑誌」(「信濃教育」)に発表して広まったことは広く知られています。

現在の信濃教育会会長の牛越充先生は、偶然、私も子供の頃からの知り合いであり、小林副館長に、呉々も宜しくお伝え下さいと伝言をお願いしました。牛越先生は、前の長野県知事との路線の違いから来る対立で疲れ果て、任期途中で退任するとの話も伺いました。教育改革が叫ばれている中で、何とも残念なことです。

同じテーブルには筑北中学校の酒井義校長先生もいらっしゃいました。「この間、筑北村の合併式典に伺ったのですよ」、と申し上げると、校長先生は、「私の中学は筑北という名前ではありますが、実は隣の麻績村にあるのです」、というご返事でした。最近生徒が減って、クラブ活動にも支障が生じているのだそうです。野球のクラブを作ろうとするとサッカーのクラブが出来ない、サッカーのクラブを作ろうとすると野球のクラブが出来ない、という具合なのだそうです。将来中学校の統合も真剣に考えていかないと、教育的見地から問題を生じかねないとのお考えのようでした。

また、農山村で純朴に育った生徒が、いきなり都会の空気に触れていった場合の心配も語っておられました。私の方からは、「世の中にはこんなに悪い人がいるんだ」、とか「こういういじめにあったらどの様に対処するのがよいか」といった免疫をつける実践教育も必要なのでしょうね、と申し上げました。

現在学校内での深刻ないじめの問題が話題になっており、学校からいじめを無くすことは何としても必要なことでしょうが、免疫がないままに社会に出てから深刻ないじめに出会ってそこではじめてくじけてしまうのも逆に困った問題です。

酒井先生は新郎の恩師、小林先生は新婦の恩師だそうです。小林先生が中学の校長時代に、中学校が荒れてどうしようもなかったときに、新婦のお父上が、地元区長として学校再建に地域としても協力したのだそうです。義務教育は地域と共に歩んではじめてその実が上がる実例も伺えました。

長野県では小中学校時代の恩師を結婚披露宴に呼ぶ習慣がありますが、このような習慣はずっと続いて欲しいと思います。

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