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October 06, 2006

木曽漆器を地元の子供の給食食器に!

以前、このブログで「子供用和食器」のことをご紹介したことがありました。http://tokyo-nagano.txt-nifty.com/smutai/2005/03/post_6.html#more その主人公、木曽漆器の作家の手塚英明さんから、日本橋高島屋で「暮らしのアート 収めの器」という個展を開催しているとの葉書を頂きました。

せっかく東京に出てきているのであればとの高校同期のお誘いもあり、手塚氏を囲む会を、新宿御苑の、これまだ同期のレストラン(Die Katze)で催しました。

個展は、10月4日から10日までの一週間。高島屋の「7階ギャラリー暮らしの工芸」のブースだそうです。作家の手塚さんも在廊しており、私も連休中に訪ねてみようと思っています。

手塚さんは、旧木曽郡楢川村の木曽平沢で「7代目ちきりや万右衛門」という名代を継いでいる伝統ある家の跡取りです。Chikiriya
旧楢川村は、奈良井宿という伝統建造物群でも有名なところです。その地域で、代々伝わる木曽漆器の伝統芸術を継承し、信濃を代表する工芸作家です。高校同期にこの様な芸術家がいるということは、何とも誇らしいことです。http://www.chikiriya.co.jp (別に、変な作家崩れも同期にいますが・・・)

その手塚さんと、地場の伝統技能・産業と教育の議論になりました。手塚さんの話では、地元の楢川小学校では、木曽漆器を学校給食の食器として使っているのだそうです。良い話なので、少し突っ込んで聞いていくと、それでも障害があり、食器洗い機にかけるので漆に何らかの工夫をし、漆が剥がれないように苦労したということでした。工夫の中味を聞いたのですが、酔っぱらっており、忘れたので、後日その内容をメールで送ってもらうようにお願いしたところです。

私が、素朴に、「漆器の器を何で食器洗い機で洗うの?子供一人ひとりに手で洗わせればいいのに」と聞くと、手塚氏は、「いやいやこれがなかなか難しく、何でも文部科学省の基準に基づき、教育委員会の考えが厳格で、ダメなんだそうだ」という話になりました。

たまたま私も地方分権関係の仕事をしてきていることもあり、「そんなバカな、今時、自分の食器を自分で洗えない基準がある訳けない。少し調べてみる」という約束になりました。

で、その後の話が多いに盛り上がり、「いっそのこと、楢川村も塩尻市に合併したことで塩尻市の文化度も上がったこともあり、小口市長と相談して、塩尻市内の小中学校の生徒の使う食器は、生徒が自分で作った木曽漆器にするようにしたら? 材料も木曽檜、漆塗りの技術は手塚さんが伝授。自分で大事に保管して、学校を卒業するときには家に持って帰ってよいということにしたら。地元の伝統芸術の漆器を給食の『マイお椀』として活用できるなんて子供の感性も豊かになるし、地元のことも知る機会にもなるよね」という話の展開になりました。

塩尻で実験して順調にいったら、県にも話をして長野県全県に広めたらどうか、などという楽しい話にもなりました。このほかにも木曽には伝統工芸品南木曾ろくろ細工もあります。地元産品を教育現場に生かす種は沢山存在するのです。

たまたま同じ場に、ニュージーランド留学から帰ったばかりの、家政学専攻のやはり同期の女性学者もおられ、「食育と食器育が一緒になるわね」などという駄洒落も飛び出し、大いに盛り上がりました。

それにしても、教育委員会が、「衛生上宜しくない」などと待ったをかけるのではないか、という懸念も払拭できず、ここら辺は制度運用論の問題として、少し勉強してみることになりました。変な集権的制約で地元が妙に遠慮している姿があるとしたら、極めて滑稽です。

ところで、ニュージーランド帰りの彼女に、「彼の国では羊の肉をジンギツカンとして食するの」と聞くと、答えは、否でした。あちらは牛肉と鶏肉が多いようです。ふと、「そう言えば、ジンギツカン料理が給食で出た場合、漆器の器には似合わないなあ」、とも思いましたが、その場合には別の食器を用意すれば良いのです。何でも十把一絡げでは、感性豊かな子供は育ちません。

新分権推進法を国会に提出する直前、極めて各論的な分権議論で新宿御苑の夜は盛り上がりました。

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