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September 24, 2006

家康公の御遺訓は「急ぐべからず」?

秋晴れの9月23日、24日の週末、鬼怒川温泉、日光東照宮への職場旅行に出掛けました。

自民党総裁選挙が終わりその後の新総理選出の臨時国会開会前の合間を縫っての旅行でした。若い職員の皆さんとの温泉旅館に泊まっての一泊旅行は、胸襟を開いて話ができ、仲良くなれるよい機会です。

鬼怒川温泉は、地元銀行の融資の引き揚げで苦況に陥ったとの話を伺い、温泉街がどうなっているか少し気がかりではありましたが、一時期の危機は脱したのかも知れません。泊まった温泉宿は、結構団体客や家族連れで混雑していました。それでも、観光バスのドライバーの方の話では、金谷ホテルなどの老舗旅館は、再生機構の管理下で引き続き再建を進めているとのことであり、温泉街の再生を願わずにはおられません。

翌日は鬼怒川ライン下りを楽しみました。晴天の下、鬼怒川の清流のしぶきが気持ちよく船の縁を濡らしていました。船頭さんの話がなかなか面白く、春から秋にかけては鬼怒川ライン下り、冬は鬼怒川上流の鶏頂山周辺のスキー場で働いているのだそうです。日光鬼怒川地域の基幹産業は観光産業であることが強烈に認識できます。鬼怒川温泉の再生の行方如何で、多くの関係者の生活の将来が変わってくるのです。

ライン下りの後は東照宮拝殿でした。060924_12050001

目映いばかりの東照宮は、相変わらず多くの観光客を集めています。「見猿言猿聞猿」、「眠り猫」、「鳴き龍」といった東照宮のスターにも会うことができました。

東照宮の本殿で、家内安全に加え、私の仕事である「今後の地方分権改革の進展」も祈願しました。同僚の皆さんも同じ祈願をするということでした。ちょうど、地方分権の第二期改革を今後どのように政策課題として取りあげられるかどうかが、自治体関係者などの大きな関心事になっています。

地方自治体やマスコミ関係者・研究者の考えでは、現在進展している分権改革は、「平時の革命」とも言うべき政治改革であり、明治維新、戦後改革に匹敵する構造改革であるべきとの認識があります。その意味では、幕藩体制を築いた東照大権現に分権改革の成就を祈念することは、祈願先としてはこれ以上ふさわしい神様はありません。

秋晴れの下で祈願が出来たということは、大権現様もご機嫌よく我々のお願いを聞き届けてくれたのかなあ、などと、勝手な解釈をしました。

ところが、奥宮に行く途中に、この権現様の遺訓が掲げてありました。「人の一生は重荷を負て、遠き道をゆくが如し。いそぐべからず。」060924_11410001
この立て札を見つけた若手が、「どうも急ぎすぎるのは良くないようですよ。家康公はじっくりやれということのようです。そう言えば、若手の行政学者も、分権改革は、永遠に未完の改革だと言っていますし」、と解説をし始めました。

これに対して、彼の上役が、「いや、分権改革は平成5年の国会決議から、もう13年もやっている。竹中大臣は3年で分権一括法を制定と言っているが、それを加えるとその時点で既に16年を経過することになる。本能寺の変が1582年、それから家康が1603年に幕府を開くまで20年。1866年の薩長同盟から1871年の廃藩置県まではわずか5年、1853年のペリー来航からでも18年だ。分権改革が急ぎすぎているというのはあたらない。」と、歴史上の史実の博識を披露していました。 

そうすると、別の職員が、「それでは家康公に、分権大権現になっていただきましょう」と話をつなげていきました。

東照宮を後にし、昼食会場に行きましたが、そこでもこの「御遺訓」が掲げてありました。壁にあった全文を読むと、一言一言がなかなかの含蓄がある言葉です。 http://www16.ocn.ne.jp/~tosyo/ikun.htm
さすが、神君家康公です。一言一言グッと来る重みがあります。
・人の一生は重荷を負て、遠き道をゆくが如し。いそぐべからず。
・不自由を常と思えば不足なし。
・こころに望おこらば困窮したる時を思ふ出すべし。
・堪忍は無事長久の基。
・怒りは敵とおもへ。
・勝事ばかり知てまくることをしらざれば害其身にいたる。
・おのれを責てひとをせめるな。
・及ばざるは過ぎたるよりもまされり。

食事をしながら、この言葉は誰に充てたのか、という議論になりましたが、家臣や子供達だろう、というのが普通ですが、ある職員が、「いや、これは、諸大名や民衆向けではないか」という解釈をしました。盤石な封建体制を作り上げるため、「出過ぎたことはするな、分をわきまろ」という支配者としてのメッセージを被支配者に向けた、というものです。それはそれで十分あり得る考え方です。

職場旅行ですので、仕事と関連した話題を中心に発想が巡るのもやむを得ないかも知れませんが、家康公の遺訓を現代風に解釈しながら仕事が出来るなどということは、ある意味で仕事冥利に尽きる仕事を行いうる立場に居られるということかも知れない、と、職員皆で、気持ちを新に、週明けの新総理選出後の国会議論に臨むことにしました。

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