« 百里飛行場の地元の合併 | Main | 「格差社会拡大はモノづくり日本の基盤を崩す」 »

September 11, 2006

後輩の成長を見て初心に帰る

平成8年に旧自治省に採用された入省者16名による採用10周年会が、週末行われました。区切りの年に、当時の採用担当者を招き、現在自治体や中央省庁で活躍している姿を確認してもらい、当時の採用が間違っていなかったことを再認識してもらうという趣旨(?)です。

招かれた当時の人事担当課長は、現在は勇退し、ある団体の理事長です。私は人事担当の補佐で事実上の採用責任者でした。その他に採用見習いという係員2名が招かれました。当時の官房長は、現在、官邸の重要ポストにおられるため、多忙につき急遽出席できなくなりました。

皆で10年前の状況を思い出しながら、この10年間にあったことを皆でそれぞれ振り返りました。

当時は、官官接待などという言葉が新聞紙上を賑わした時期でした。また地方分権の動きが本格的に始まった頃でした。平成5年の地方分権に関する国会決議を受け、地方分権推進法が成立し、地方分権推進委員会が平成7年7月3日に発足する中でのあわだたしい採用活動でした。平成8年採用の彼らにとっては、地方分権の具体的検討と同時並行の公務員生活の10年間になりました。現在、 岐阜県の裏金事案が新聞を賑わしていますが、この時期に第二期分権改革の動きが改めて始まりつつあることを思うと、10年サイクルで歴史は繰り返すのかなあという感慨も持ちます。

その後、省庁再編で自治省は総務省として再出発し、地方行財政の所管に加え、国の行政管理や郵政・電波・放送行政の機能も付加した総合的な官庁として機能してきました。

平成8年に採用になった諸君も、この様な動きの中で、10年のキャリアを刻んできました。10年間で赴任した自治体はそれぞれ2-3団体を数え、その多くは現在も県の課長職についています。既に東京に戻った人は霞ヶ関の課長補佐をこなしています。何人かは、この間留学したり、在外公館に勤務したという人もいます。在外公館勤務者は、第二次イラク戦争勃発時にヨルダン大使館で苦労してきました。

彼らの話を聞いていて、国と地方を交互に経験することで現場感覚を持った政策立案が出来るような官僚を育てたい、という人事交流の理念が、着実に実現できていることを感じました。奢ることなく謙虚に地域社会と話が出来ている実感も得られました。その間、伴侶とよき家庭を築き、子供をもうけ、私生活も充実している様子を聞くと、思わず安心します。まだ未婚の人には、努力を促しました。

市役所に出向し、合併推進の仕事に従事し、自らが合併協議会の事務局長を経験したという得難い体験をした人もいます。県の市町村振興課で仕事をする中で、市町村の課長さん達と週1回の勉強会をやり、情報共有に努めているというアイデアを実践している話を聞くと、財政難の中でも出来るだけ知恵を絞り、県と市町村が双方向で仕事が出来るような方式を自分自身の頭で考えていてくれているなあと、嬉しくなります。圧巻は、内閣府の沖縄担当部局の補佐をしている後輩が、「これまで二つの県に出向してきましたが、東京に戻り沖縄担当になり、三度目の地方勤務の気持ちになっています。体は東京ですが、心と頭はいつも沖縄です。」という言葉を自然に発するのを聞いて、こういう後輩が育っている限りは、霞ヶ関もまだまだ大丈夫だと確信しました。

採用担当者も一言ずつ発言をしましたが、「10年前の採用が間違っていなかったことが証明された思いがする」と、異口同音の感想でした。自分自身の採用後10年経過時の思いを想起する機会ともなり、期せずして初心に帰る気分になりました。私も、「採用した側として皆さんの行く末を見守る責任があり、なかなか役所を飛び出すことが出来ません」などと、強がりを申し上げ皆を笑わせましたが、むしろ見守られ、支えられているのはこちらの側になっていることを実感した「10年の会」となりました。

|

« 百里飛行場の地元の合併 | Main | 「格差社会拡大はモノづくり日本の基盤を崩す」 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/58165/11854601

Listed below are links to weblogs that reference 後輩の成長を見て初心に帰る:

« 百里飛行場の地元の合併 | Main | 「格差社会拡大はモノづくり日本の基盤を崩す」 »