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February 27, 2006

安曇野で聞いた江東デルタ地帯の話

安曇野市で江戸川区長の多田正見さんと話していましたが、期せずして、防災の話になりました。多田区長の目下の最大の心配事は、台風・高潮災害なのだそうです。

荒川と隅田川に挟まれた墨田区、江東区、江戸川区にまたがる江東デルタ地帯と呼ばれる荒川下流域は、地面の高さが海水面より低く、地盤も弱いので、大洪水や高潮、地震がおきたらたいへん大きな被害が予想されています。この地域は、ただでさえ標高が低いのに、これまでの地下水くみ上げと天然ガス採掘により5メートルも地盤が沈下してしまったのだそうです。
http://www.cci-tokyo.gr.jp/r/gakusei/pnf-lockgate/

ちょうどニューオーリンズと同じような地形になっているのだそうです。もっともニューオーリンズは東京23区くらいの広さがあるので規模が異なるようですが、人口稠密という意味では、江東デルタの脆弱さはニューオーリンズに劣らぬほど大きいのだそうです。

江戸川区の人口は66万人ほどありますが、最悪の場合は、全区域が水没の可能性があるのだそうです。

政府では、「スーパー堤防」という幅の広さとゆるやかな勾配が特徴の規模の大きな堤防により、まちを災害から守りつつ、公園や宅地を造成できる公共事業をこの地域で進めていますが、それでも万全ではありません。

多田区長は、「ハザードマップを見ると、江戸川区は真っ赤っ赤ですよ」、と苦笑されておられました。

私が、「それに比べたら安曇野市は、台風をアルプスが遮り、安全です。千年に一度の大きな地震は不安ですが」、と申し上げると、そばで聞いていた平林伊三郎安曇野市長が、必ずしもそうではない、とおっしゃいました。市長が子供の頃、台風で大雨が降り、烏川を濁流が下り、大きな岩がゴロンゴロンと下っていくのを子供心に覚えておられると語っておられました。烏川の中央部分が表面張力で盛り上がり、本当に恐ろしい光景だったと語っておられました。

現在では、あづみ野排水路が一部完成し、大水が出ても容易には溢水することがない対策が講じられていますが、それでも大型公共事業に対する人々の目が厳しくなっている中で、全体事業の進行は難しい局面にあるようです。
http://www.kanto.maff.go.jp/nou_seibi/2/c77/menu7.htm

地球環境の温暖化で、思いもよらぬ巨大台風や時間雨量の非常に多い豪雨が珍しくない時代になっています。そういう環境の中でも、財政制約のもとどこまでの安全対策を公共事業により講じることができるのか否か、施策の選択が迫られる時代です。

少なくとも、余りに機能を東京に集中させることは、国土構造の在り方として危険であると言わざるを得ません。そのような観点からも、地方分権の議論、機能分散の議論が必要だと思われます。


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