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December 24, 2005

「Unity,Liberty,Love」(S.Yoshida)

年末の一連の予算編成も一段落付き、今日は昼から今年の地方財政をふり返る、雑誌掲載用の「新春座談会」用の材料を整理しています。

三位一体改革も、様々な見方がある中で一応出来上がりました。4年半ほど前、私が当時出向していた地方分権推進委員会の最終報告書に「税源移譲」という言葉が載りました。政府の公式文書に載るのは初めてだったと思います。

その後の小泉政権発足の流れの中で、4兆円の補助金改革、3兆円の税源移譲という数値目標が示され、地方の意見を聞くという新たな方式を取り入れ、何とかここまで進んできました。

一気呵成でした。当時を知る者としては、よくここまで来たというのが正直な気持ちです。この一年の短い期間の中で考えれば、更に「高い」成果があり得たのではないか、と、改革の成果に異を唱える多くの関係者がいます。それはそれで正しい認識です。要は、どの時点の視点に立って今回の改革の評価を行うのか、という視点の違いだと思います。

次の段階の改革に向けての仕込みが既に始まっています。国と地方の役割分担議論、地方交付税を巡る議論などが焦点になりそうです。三位一体改革の中では、地方側が少なくとも地方交付税に対する一方的な防戦に終始するということはありませんでした。次はどうなるか、既に興味はそこに行っています。まさに改革に終わりなし、です。

ところで、年末の予算折衝におつき合いする機会があり、財務大臣応接室に入る機会がありました。ふと、谷垣財務大臣の頭の上に掛かっている額が目に入りました。「Unity,Liberty,Love」(S.Yoshida)と珍しく墨で横文字が書いてありました。

その場にいた一人が、幕間に、「その文字は誰の筆になるものですか」、と谷垣大臣に聞くと、谷垣大臣は、「これは麻生さんにも関係があるんですよ」と言いながら、「S.Yosidaと書いてあるでしょう」とご示唆されておられました。これは麻生外務大臣の祖父の吉田茂元首相の直筆だったのです。

私は、その3文字をつらつら拝見し、「日本にとってこれからの時代を生き抜くには、国民の統合をはかることが何より大事だ、しかもそれは個人の自由を前提にしなければならない、そしてこの二つを繋ぎ止めるするのは愛なのだ」、という敗戦後の日本を復興の軌道に乗せた名宰相の心情なのだと受け止めました。

三位一体とは、「Unity,Liberty,Love」のような言葉が本来は似つかわしかったのでしょう。しかし、「補助金、地方税、交付税」も、一見無味乾燥の言葉に見えますが、実は、新に必要な補助金(例えば生活保護の国庫負担金)は国民の統合を維持するもの、地方税は地方自治体が独創性を生かし自由な地域経営に活用するもの、交付税は都会と農村がお互いの立場を理解し合い、いわば愛によって支え合う財政基盤と考えるべきもの、と位置付ければ、吉田茂元首相の日本復興の理念は、今日の三位一体改革の思想の底流として脈々と流れていると捉えることも出来るのです。

やや牽強付会でしょうか。

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