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September 19, 2005

熱海の「海底遺跡」

久しぶりに同好の友人と一緒にスキューバダイビングに行ってきました。沖縄ダイビング行きが延期になり、近場で再度トライということになり、好天に恵まれた9月18日と19日の連休に実現の運びとなりました。

ポイントは熱海の「海底遺跡」です。熱海のホテル街のすぐ前の海岸からボートで少し沖合に出て、そこがダイビングスポットです。

國次秀紀さんというインストラクター兼「遺跡発見者」の案内で、日曜日に2ダイブ、月曜日に1ダイブの計3ダイブを試みました。私にとっては、今回の3ダイブで通算41ダイブとなりました。

天気は良く、海の状態の静かで、絶好のダイビング日和となりました。

実に4年ぶりのダイビングで、体にウェットスーツが入るか心配でしたが、何とか押し込みました。ダイブ参加の一行はお互いに、アザラシやトドがウェットスーツを着ているようだと冷やかしあいながらの着替えでした。しかし、久しぶりのダイビングは、「コツ」を思い出すのに少し手間がかかりました。ボートから海にエントリーする際に、私は「息が上がり」、胸に水を入れて冷やして、やっと呼吸が落ち着きました。水底に降ろしたロープに沿って、25メートル下の沈船のデッキに降りましたが、最初「耳抜き」が上手く行かず、苦労しつつ何とか降りることが出来ました。

熱海の海底は、ソフトコーラルが華やかでした。ピンク、紫、白などいろんな色をしたウミトサカの奇妙な群落が沢山あります。その付近をキンメモドキ、ネンブツダイといった可愛い小魚が群を為して泳いでいます。この辺りは、小魚の生育の格好の場所のようです。海草のアラメも沢山生えており、そのアラメには白っぽい魚の卵らしきものが沢山産み付けられていました。

透明度は思った以上あり、10メートルくらい先まで十分見通すことが出来ました。國次さんの先導で、海底遺跡の「石畳跡」、「参道跡」、「石積みの跡」といった海底遺跡を二日間に亘って案内していただきました。確かに、人工の手を加えたような跡が見受けられ、これが本当に海底遺跡であるのかどうか、更に考古学的な考察を加える必要もあるように思えます。

國次さんは、「熱海の海底遺跡保存会」を結成され、この「海底遺跡跡」を13世紀に地震で陥没した遺跡だと推論し、現在、各方面にその存在をアピールする運動を展開されています。ダイビングを終え、海岸で休んでいる合間に、國次さんの話を伺いましたが、考古学的考察、歴史分析にまで及ぶ勉強の成果がほとばしり出るようでした。

國次さんからは、「この辺りの言い伝えが、走湯山(はしりゆさん)という当時の寺に納められていたものが、秀吉の小田原攻めの際に、北条荷担の故を以て焼き尽くされ、このあたりの由来を伝える文書がなくなってしまった」と、お聞きしました。資料が少ない中での推論は至難の業ですが、國次さんから、英泉という江戸期の版画家が描いた、「万巻上人・・・化現に逢図」という版画のコピーを頂きました。これは江戸時代に、昔から伝わった熱海の歴史上の言い伝えを改めて版画にしたもののようですが、万巻上人が天平の時に、当時この地の海面にあった火山現象を霊験あらたかなものとして自然の岬から眺めている様子を描いています。この版画に描かれている集落などが火山跡と一緒に陥没したのではないかというのが、國次さんの推論でした。

更に、この絵図は、秀吉の走湯山攻めの際に、散逸した資料が基となったのではないかと、推論されておられました。

熱海は、ひと頃の賑わいがなくなったと言われています。國次さんは、「海底遺跡」という歴史・考古学的な新たな観点を温泉観光に付加し、新しい観光戦略がこの地に必要ではないかとお考えのようです。

スキューバダイビングというマリンスポーツを通じて、熱海を新たな視点から眺める機会を得られました。

海岸でのんびりするのだけでも、気分はよくなるものですが、新幹線で帰る前に、たまたま福島屋旅館という懐古趣味のた温泉宿の風呂に入ることが出来ました。一人350円の「源泉掛け流し」で、皆に好評でした。地元通のダイビング仲間が教えてくれたところです。2日間で海に3回ダイブ、温泉はホテルと旅館の温泉に5回浸り、熱海を満喫できた休日でした。

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