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August 17, 2005

代議士の引退

私の故郷選出のある代議士が、今回の政変で引退を決意され、8月17日引退記者会見が行われました。

郵政民営化法案に反対票投じ、その結果党の公認を得られずに、引退を決意されたものです。

「私がこの総選挙に出馬し、議席を得たとしても、・・・党国会議員としての活動の道が閉ざされるということになります。・・・単に委員会または本会議における投票行動において議員としての権限を行使するのみでは、私にとって国会議員としての活動は不十分であり、政権与党の中にあってこそ私の力が発揮出来ると考えております。その立場を得ることが出来ない選挙を戦うのは私には無意味なことです。」

「私は国会議員たるもの常に国家国民の為に何をなすかを考え最善を尽くすこと、また発言に責任をもつことが大切と考え、努力して参りました。また、議員であることを生活の手段にしないこと、地位に恋々としないことも自戒して来ました。議員は・・・一体何を成すために議席を求めるのかが問題だと私は考えて来ました。」

とおっしゃる先生は、5歳の時お父上の転勤で中国に渡り、21年に故郷の木曽に引き揚げ、その後松本市に移られ、松本深志高校2年時にお父上が48歳で急逝され、一家を支えたお母上を助けてアルバイトを続け、兄弟の支援をしながら昭和34年東大経済学部を卒業、同時に通産省入省。工業技術院総務部長の時、急死した代議士の後継として、昭和61年7月の総選挙に出馬、以来5期連続当選。国家公安委員長、防災担当大臣などを歴任された方です。

私は仕事上も随分とお世話になった先生で、突然の引退声明に驚いた次第です。引退声明を通じて伝わる先生のご無念の心情いかばかりかとお察し申し上げる次第です。と同時に、記者会見内容の「矜持」に接し、不思議な清々しさを覚えました。

人国記にある、「信濃の国の風俗は、武士の風俗天下一なり」、「義理強くして臆することなく」、「弱みの比興(卑劣)の事はこれ無し」という信濃武士の気質そのもの具現を感じとりました。

せめて20年に亘る先生の国家及び郷土のための多方面のご活躍に対して、深甚なる感謝を申し上げたいと思った次第です。

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