« 同級消防団長の急逝で知った高校生活 | Main | 湧水井戸の管理に見る住民自治 »

August 28, 2005

「草間彌生」と「源智の井戸」

松本市美術館特別展で「草間彌生 魂のおきどころ」という展示があり、見学してみました。
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/p3/p3-html/p3-kikaku01.html

草間彌生さんは、現代美術で世界をリードする著名な芸術家になっておられますが、幼少期から幻視や幻聴に悩まされた彼女は、それらを描きとめることにより自己を保ったということが紹介されております。現在も、彼女は芸術をもって病気と闘い続けておられるようです。「芸術が無ければ自分は増殖し続ける幻覚にとっくに呑み込まれていた」と語っておられる由。

松本出身の彼女は、1957 年に単身渡米、ニューヨークを中心に約16年間活動。その個性は世界中で脚光を浴びることとなったとのこと。「増殖する網目と水玉のイメージが、ハプニング、反戦デモ、自主制作映画など様々な形となり、拡がっていった」と美術館の解説がありました。現在は拠点を東京へと移し、精力的に制作を継続。表現方法は絵画、コラージュ、版画、環境芸術、野外彫刻、映像など多岐に渡り、奇想天外な表現方法は、見るものを驚かせます。

今回の展示も、美術館館全体が中庭も含め、芸術表現の場と化しています。自動販売機まで、赤い水玉模様に彩られているのには笑ってしまいました。過日、六本木ヒルズの美術館で見学した内容に匹敵するものだと思いました。

美術館にはO君という建築家専攻の高校の同期生がおり、いつも訪問時にはご案内いただいていますが、そのO君に言わせると、草間さんの「魂のおきどころ」とは、「志の高さ」なのだそうです。「松本を去り、日本を離れ、世界に可能性を求めた草間彌生さんは、その根幹に並外れた志があったからこそ、世界で認められ、この度故郷に凱旋することができたと思うのです。」と解説してくれました。

「人間最後によって立つ処は志だ」ということは、半世紀近く生きてきた我々にとって、心に響く言葉です。草間彌生さんは、自らのハンディキャップを逆手に取り、水準の高い芸術に昇華させました。逆境が自らの能力を高めることにつながるのだ、ということは、我々にとってもおおいな励みです。何があっても人生を諦めず一つのことに打ち込めば必ず光明が出るのだ、という前向きの事例だと思います。

今年は、我々の高校卒業後30周年です。その記念行事を何か後輩に残す形で行いたいということで、11月19日に高校の後輩向けの特別講座を企画しています。様々な分野で現役として頑張っている同期13名の先輩が自分たちの仕事を紹介しながら、「志を高く持って」自己を確立してもらいたいとの願いから行うものです。

草間彌生さんほどの「志の高い」同期がいるのかどうかは分かりませんが、中堅どころの我々の職業への取り組みの現実を若い頃の志のおきどころとの絡みで紹介していこうというものです。

ところで、松本駅から美術館に行く途中で、「源智の井戸」という松本市内に古くからある名水を「発見」しました。美術館のすぐ近く、瑞松寺というお寺の前にあります。迂闊にもこれまでその存在を知りませんでした。行幸時の天皇の御膳水として使われたこともあったそうです。美術館に向かう途中で、市街地の中にこんこんとして湧き出る清水に出くわし、随分と清々しい気持ちになりました。松本市内を歩くときには、空のペットボトルを持ち歩く必要があるかも知れません。
http://www.sakusen.co.jp/water/genchi.html

|

« 同級消防団長の急逝で知った高校生活 | Main | 湧水井戸の管理に見る住民自治 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/58165/5681754

Listed below are links to weblogs that reference 「草間彌生」と「源智の井戸」:

» 草間彌生 展 魂のおきどころ @ 松本市美術館 アゲイン [Viewer's Voices]
この前は、平日であったこともあり観覧者が少なくいい環境で気持ちよくみることができた。 今回は、そんな前回とどのように印象が変わるものかというのも少々興味があった。 それというのも、東京の美術館というのは日祭日の込み具合といったら冗談じゃないほどで、この前のイサムノグチ展にしても、唐招提寺展にしても大変な込み具合だったからだ。 今回は、土曜であるにも関わらず松本市美術館の駐車場がいっぱいになっていたのにはびっくりした。まあこの連休で終わりなわけで無理はないのだが。 しかしながら、早めにいったせい..... [Read More]

Tracked on October 10, 2005 at 10:48 AM

« 同級消防団長の急逝で知った高校生活 | Main | 湧水井戸の管理に見る住民自治 »