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July 16, 2005

三位一体改革で東京都は収入増減なし

全国知事会議徳島県会議(7月13日)の折に総務省の香山充弘次官が、三位一体改革の最近の動きに関してコンパクトでメリハリの効いたお話をされました。エッセンスは、三位一体改革で、トータルとしての収入増減を出来るだけ平準化しようという姿勢を示したことです。東京都に関しては、三位一体改革で収入増減が生じない試算を明らかにしました。

麻生知事会長から、

・今年の秋には三位一体の決着を果たさねばならない。それに向けての戦略を議論したい。
・骨太方針2005が決定され、3兆円の税源移譲を目指すことが明記。
・大きな政治課題として明記されたが、事態は政治的にも微妙な局面。この会議を通じて秋には成果を出るようにしていきたい。第二期改革に繋げたい。

とのご挨拶があり、その後を引き継ぐ形で香山総務次官の講話及び知事さん方との意見交換が行われました。

<香山事務次官>
・個人住民税の比例税率化により東京都に3,000億円の税収が新に帰属。一方、東京都で2千数百億円の補助金の削減の見込みがあり、さらに法人事業税の分割基準見直しで600億円都から税収減となる。結果的に、三位一体改革で東京都にトータルの収入増減の過不足は無い
・住民税の10%比例税率化で所得税課税最低限以下の人に対して増税にならないように、これを是正する方策を検討中。
・3兆円の税源移譲に不足する残る6,000億円に見合う国庫補助負担金改革の提案をお願いできるということを伺っている。万全の努力をしていきたい。
・話が付いているはずの2.4兆円の内訳に義務教育費国庫負担金が入っている。中教審での議論が行われており、6団体代表も、「アウェー」の試合でご苦労されている。中教審以外の土俵もあり、地方の主張を実現していきたい。
・地方歳出の合理的な抑制について総務省から先手をうっている。公共投資をバブル後の景気対策以前の水準に向けて軟着陸させていきたい。この範囲内で交付税総額を適切に確保していきたい。
・18年度までの三位一体改革が終わると、次は中期地方財政ビジョン。3年か5年かは分からないが、地方から毎年の見通しがつかないのでは困るとの声があり、策定方針を明らかにしていきたい。
・地財計画と実績の乖離に関しては、投資と経常と一体的に是正するという対応をする。地方との十分な協議をする。明年に入ってから具体的な作業。
・麻生大臣のプラン発表後、骨太方針2005が出たが、概ね麻生プランで発表したとおりの内容となった。
・経済財政諮問会議の民間議員から、地方財政が見えにくいとの見解が示されている。地方財政を見やすくする仕組みを導入し、その指摘に答えたい。

<質疑>
(質問)
・18年度の地方財政計画の話と一体是正の関係が分からない。
(香山事務次官)
・18年度の話はあるべき議論。それを積み上げた次の段階で一体乖離の是正をするという関係。
・損が生じないように、同額を是正するということ。17年度も同じ考え方でやった。

(質問)
・同時一体的是正の意味は分からないではないが、決算とイコールにしろという主張が盛り込まれているとすると、地方財政の自主性からは疑問。現在あまりにもかけ離れていることを是正するという趣旨と受け止めて良いか。
・東京都から600億円を分割基準で見直す話は、財政上のつじつま合わせでやるという説明に聞こえたが、税の理論からは疑問を感じる。
・地方の決算が3年前の数字。出来るだけ早く決算を出していく努力が必要。民間だとその年の6月には決算が打てる。各地方の努力が必要。地財計画をしっかりさせる支援材料になる。
・6,000億円見合いの提案に関連して、本当に政府で尊重してもらえるのか。何故もう一度作るのかという意見もあった。出したものをきちんと尊重してもらえるようにやってもらいたい。

(香山事務次官)
・全てごもっともな指摘。計画と決算の食い違いは生じるのは当然。この文書の読み方は「一体的」な是正しか応じないということ。そこにしか意味がない。
・分割基準の説明は分かりやすくこの場で言っただけ。租税理論としてはごもっともな指摘。
・改革案の再提出は、幕が一幕進んだので、地方団体の気迫を示して頂きたいということ。その場合、多少のアローアンスがあったほうが関係省庁との関係で有り難い。

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Comments

 私は、現在東京在住の公務員です。
 総務省から来た人が副知事、局長、財政部長とか総務部長とか、自治体の要職を占めているというのは、まぁ、事実ですよね。現在でもキャリア職員だけでも100名以上は自治体の管理職ポストで出向してるでしょ。
 そういえば、某宗教団体とモメて雪国で隠遁生活している政治家がいますが、彼が自治大臣だったとき中央省庁からの出向者、特に自治省からの出向について、今後改めるべきだとの方針を出したと記憶していますが、まぁ、どの程度まで改善しているのかよく知りませんが・・・。
 ついでに言えば、知事会とか、いわゆる地方六団体も自治省の出向者が事務局を抑えていますね。

 ところで、三位一体改革に関してですが、補助金を廃止して税源移譲が行われると、国からの口出しがなくなり、各自治体における行政サービスの水準が向上するかのような主張を聞きますが、果たして本当にそうなのでしょうか、私は疑問です。

 私の出身地である、西日本の某自治体では、現在でも交付税への依存度が非常に高い状況です、税源移譲が行われても、たいした企業もなく、人口も4万人程度では財政状況が改善するとは思えません。
 同級生が職員にいるので聞いてみたことがあるのですが、もらっている交付税も、かつて作った公共施設の借金返済のためのお金であり、現在の住民に対するサービスの向上や、自治体としての独自の施策に使う予算には回らないとのことでした。

 まぁ、もしほんとに税源移譲が行われるとしたら・・・、結局のところ、自治省が言うように、市町村合併をすすめて、行政効率を高めるしか無いんでしょうね。
 でも、それって、長期的には、市長選の票につながりにくい部分の施策や、弱者対策の施策が切り捨てられたりするんじゃ無いんですかね。
 これに、どんなメリットがあるんでしょうか、すぐにサービスが低下することは無いだろうけど、長期的には必ずそういうことになるんでは?

 まぁ、交付税の配分権限を持って、地方に主要幹部を配置し、更に知事にOBの多くを送り込んでいる自治省にとっては、これまで以上に権力を持つことになり、メリットはあるとは思いますが。 

 ちなみに、一点よく判らなかったのですが、とらやんさんが書いていた、「地方交付税も削減して税源委譲すべき」との議論に対して、探偵ごっこさんは、「東京都にとっては、他県に行っている交付税を財源に自らの税が増えることになる」のではないか、と指摘されていましたが、管理人さんの元々の書き込みでは、自治省は、今回の三位一体での税源移譲で、東京都に税源が行き過ぎないように法人事業税の分割基準をいじったりして、うまくやれる、東京都には行き過ぎないようでできると主張しているいう趣旨の事が書いてありましたよね。
 それだったら、とらやんさんの言うように交付税を税源移譲するときも、東京に行かないように税制をいじれば良いんじゃないんですかね。

Posted by: プロピア | August 01, 2005 at 12:08 AM

 私は霞ヶ関の人間でもなければ、霞ヶ関出身の人間でもありません。上司に総務省から来た人間を何代にもわたって持つ県職員としての実感をまじめに書いたつもりです。もちろん現状への不満もありますが、実態や本音を知って、それを生かしてほしいという気持ちもあったからです。
 結局実態をわかったつもりになっていても、県職員の本音をわかっているわけではないんだなあということはわかりました。人事交流が仮に必要だとしても、課長級の人が課長として来るわけではありません。上から来る人間から見るのではなく、自分が県にいる立場から考えてほしいと思います。総務省の正当化ばかりで、そういう姿勢を見せてもらえないことはすごく残念です。

Posted by: とらやん | July 30, 2005 at 05:12 PM

「とらやん」さんの議論に接し、懐かしい天下り議論に接したような気がします。今霞ヶ関である役所が盛んに言っている理屈と瓜二つです。

とは言え、おっしゃることは、長い目で見るとそういう方向になっていくのではないでしょうか。それはシステム改革の結果論です。

残念ながら、私の実感では、現実社会は中央集権体制であるからこそ、旧自治省のような機能が求められてきたと思います。

ご指摘のように今の中央集権体制をそのままにして、旧自治省の機能を無くしてしまったら、どうなるでしょうか。分権が進む?とお思いでしょうか。喩えて言えば、真の分権社会の過渡期の姿が今の実態ではないかと、私は個人的に思っています。

個別のご指摘の点に関して言えば、県の実権を握っているのが総務省から送り込まれた人間なのだ、というのは「美しい誤解」です。何年かしたら本省に帰っていく旅人に易々と実権が付与されるような地方行政の実態ではないと私自身は思っています。

地方の幹部に総務省が人の派遣を止めろというご指摘も、正しいようで正しくないと思います。長年同じポストを出向者が占めるようなことは宜しくありません。この点は最近だいぶ改まって来ています。他方、地方の現場を十分知った上で、霞ヶ関で地方自治関係の仕事をしてもらわないと、危なくて仕方がないとは思いませんか?例の交付税7-8兆円を一挙に削減せよという議論が財務省から出てきて、「地方は何をやっているか分かりませんから一つやってみましょうか」では大変なことになると思いますが。

「県で仕事をする人間からみれば、著しく仕事のモチベーションを奪われている」というのも、人によるでしょうが、本当でしょうか?任命権者にとっては、どのような人を部下に持って仕事をすると喫緊の課題に適切に答えてくれるのだろうかとの意識で人事をしているはずです。それが霞ヶ関関係者であったり、民間人であったり、いろんなパターンがあると思います。総務省から一人も人を受け入れてない、中部地方のある県は、国の出向者がいないので仕事のモチベーションが上がっているのでしょうか?これは決して国と地方の人事交流にだけ責めを負わせる問題ではないように思えます。

「地方交付税も削減して税源委譲すべき」との議論は、この間東京都の教育長が中教審で提案されていました。そうなると、東京都には、他県に行っている交付税を財源に自らの税が増えることになります。東京との主張としては正しいかも知れません。しかし、これを交付団体の「県の職員」が、おっしゃることには、不自然な気がします。本気でそう言っておられるのでしょうか?

地方交付税ほしさに「総務省から副知事や最高幹部を受け入れている」という指摘も、表面的には分かりやすいようで、地方自治体を嘗めた話です。不交付団体の東京都は、その昔鈴木俊一さんという立派な方を受け入れましたが、交付税欲しさ(だけ?)ということは当たりません。

地方交付税の配分基準は総務省のさじ加減一つで決まっているというのも、本当?という気がします。最近ではこれまでの経緯も踏まえ、相当簡素化してきています。内容も出来るだけ法律で決めています。

「県の職員は総務省の顔色をうかがって仕事をしている」ということは、多分に感情的議論のように思えます。

「地方間の格差是正への対応は、地方共同税を創設して対応すべきだ」ということを県の方からお伺いしたのは初めてです。分権会議で(財務省の意を受け)突如提案があり、地方団体の大反対でポシャッた話が、「県職員の口」を借りて語られることに「あなた誰」と聞き返したくなります。

冒頭申し上げたように、分権社会が進む暁に、今の総務省の旧自治部門の位置づけはそれなりに変化することは当然です。寂しいことですが、社会の脱皮に必要であればやむ無しです。しかし、分権制度の構築を返り血を浴びながらやっている推進母体を弱体化して、分権社会の実現を待たずにそれを行って、お慶びになる方々の顔を思い浮かべてみませんか。

Posted by: 探偵ごっこ | July 29, 2005 at 11:50 PM

 こんにちは。私はある県の職員をしていますが、不ログを見ていて、ここでの地方分権論についてすごく違和感を感じるので書かせて頂きます。
 まず、県にいて地方分権を一番阻害していると感じる存在はどこかと言われれば、それは総務省(旧自治省)です。

 現在、私の県もそうですが、自治省出身の知事が全国でもかなりを占めています。知事は選挙の洗礼を受けているし、立派な方もいると思いますが、最も問題だと思うのは、副知事や総務部長など、選挙の洗礼を受けない最高幹部には、総務省のキャリア官僚が送り込まれてきていることです。県の実権を握っているのは、地方の人間ではなく、総務省から送り込まれた人間なのです。この人たちは、何年かしたら本省に帰っていきます。
 本当に地方分権を総務省が考えるのであれば、まずこのようなことをやめるべきだと思います。県で仕事をする人間からみれば、著しく仕事のモチベーションを奪われているのが現実です。私は他の都道府県にも何人も友人がいますが、皆この点については異口同音です。

 また、本当の地方分権を考えるのであれば、地方交付税も削減して税源委譲すべきです。地方交付税は、実は総務省の力の源泉です。東京都以外の都道府県ではどこも地方交付税をもらっています。地方交付税が力の源泉である証拠に、もらっていない東京都は総務省から副知事や最高幹部を受け入れたりしていないと思いますが、私の知る限りでは、他のほとんどの県では受け入れているようです。
 補正係数や何を基準財政需要額への参入対象とするかなど、地方交付税の配分基準は総務省のさじ加減一つで決まっているのが本当のところです。
 県の職員は総務省から派遣された幹部の下、地方交付税の配分権限を背景とした総務省の顔色をうかがって仕事をしていることを、なぜ改革の対象としないのでしょうか。地方間の格差是正への対応は、地方共同税を創設して対応すべきだと思いますが、総務省がそういうことを言っているのを聞いたことがありません。

 本当に地方分権を進めるのであれば、総務省の旧自治省部分はいらなくなってくるはずだと思います。総務省集権では何の意味もないと思います。

Posted by: とらやん | July 28, 2005 at 12:50 AM

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