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July 06, 2005

元文部官僚市長の親元叱咤激励

元文部官僚で出雲市の西尾理弘市長さんが、義務教育費国庫負担金の一般財源化に関して、その経歴からすると意外なメッセージを表明されておられます。2005年6月24日の「自治日報」紙上での以下の所論です。

・三位一体改革の重大な戦いの中で義務教育費国庫負担制度の是非が、今や費否両論の厳しい論争の渦中にある。
・戦後の教育委員会制による地方分権体制が行き話まる中で、今度こそ真の地方教育分権を確立するための重要な第一歩として、市町村立学校の義務教育費国産負担金を地方に移譲すベきものと考えている。
・東西のイデオロギー対立が終結しつつある今日、教育の政治的中立性の論議を乗りこえて、行財政の当事者能力のある都道府県知事が中心となる教育分権自治を明確に樹立すべき歴史的転換期にさしかかっている。
・文部科学省により2004年度から総額裁量制(負担金総額の範囲内で少人数指導や補修授業の充実などを可能とする)が導入されたにもかかわらず、現行の財政権限のない教育委員会の行政では、学校・教員編制にしても、国の標準・基準達成までぎりぎり努力、配慮すればよいとの行政判断に終始し、各県間で切磋琢磨し、より水準の高い、充実した教育を実現せんとする気迫が見受けられない。
・総額裁量制により自主的にある程度少人数編制が可能になったとは言うものの、文部科学省の財源配分基準にこだわる教育委員会の判断では、例えば、芸術学校や科学学習センターなど純粋に地方独自の構想で学級や教員編制を試みる時、このような試みは通常の制度ではないとの頑なな立場から、思い切った教員の加配を断行できない状況となっている。
・この際、地方の教育行政職員の分権自治への意識改革を促すためにも、各県に人件費財源を全面移譲し、国の定める教育政策の目標と最低限の基準以上を目指し、自主的に競争させる道を開き、文部科学省は全国の知事を指導・助言する真に実力のある政策宮庁として活動すべきであり、所定の内容、水準を達成できない自治体に対しては強力に指導・勧告できる体制を整えるべきと考える。
・都道府県に委せれば教育格差が生ずるとの懸念は、全国学カテストにより、各地の教育内容・水準を担保している米国、英国などの状況に徴し、杷憂であると考える。
・問題は、現在の国庫負担制度下で地域間、公私立学校間の格差がまさしく広がっているという現実が看過されていることである。ちなみに、然るべき情報によれば、大学入試センター試験の島根県の受験生平均点は年々低下し、本年は、47都道府県中45位に低迷し、また東大入学者も県の高校卒業生千人に一人という厳しさである。
・他方、大都市圏を中心に文部科学省の教育行政から一歩距離を置く私立学校が活況を呈していることもあり、全国の公立小中高等学校の教育格差が拡大している。
・文部科学省は、21世紀の人材大国日本を目指し、自らは大学・研究機関の強化、芸術文化予算の充実に努めつつ、小中高等学校教育は、都道府県、市町村をもっと信頼し、今や勇断をもって名実ともに教育分権確立に大きく舵を切るべきである。
・これにより、都道府県知事、さらには市長・町長を直接指導する21世紀の強力な政策宮庁として飛躍できることとなる。

実に骨太の見識です。このような人を何故中央教育審議会に入れないのでしょうか。所管官庁に好都合な人ばかりをメンバーにすると、審議会の意味が問われると思います。

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