町会長さんと「三位一体改革」
日曜日の夕方、町会長さん達のOB会の集まりで、「三位一体改革と地方分権の行方」という話をしてきました。
町会長経験者ですから、市町村の行政の仕組みや住民の皆様との関係に関しては比較的詳しい人たちですが、それでも制度論などは苦手な方々が多いと思われます。
・平成5年の衆参両院の分権決議以降の地方分権関係の制度改正の流れが着実に進んできていること、
・行政面の分権に加え、現在は更に地方財源の各論に議論が移行していること、
・その具体的手法が三位一体という補助金、地方税、交付税の一体的見直しであること、
・この改革と並行して地方分権の担い手である市町村の基盤強化(=合併)が進んでいること、
・併せて地方行革も進んでいること、特に地方公務員の数がこの10年間で16万人減少するなど人員削減も進んでいること、
・国全体の構造改革の中で更にこの動きは加速されるであろうこと、
・その構造改革を進める中で地方分権という視点で改革を行わないとかえって中央集権が加速されかねないこと、
・行革を徹底して行った後の国民負担の議論が出てくる際に、国と地方の税源の配分の議論を注視しなければならないこと、
・地方分権の制度的保障を確保するために、今後想定される憲法改正の動きの中で、地方自治条項を豊かにする修正が必要であること、
・遠からず、府県合併、道州制の議論が盛んになって来るであろうこと、
などの話を資料を交えて行いました。その上で、
・大きな歴史のうねりの渦中にあり、歴史の行く先を見据えた議論をしないと、方向性を見失う、
・現在の三位一体改革は、当事者である地方自治体にとっても苦しい改革かも知れないが、この内容程度の改革すら実現できないようでは、分権の流れが止まってしまいかねない、
・その意味では、ムナツキ八丁の段階にある、
などという話を申し上げました。
普段聞けない話を比較的分かりやすく話してもらえた、と言っていただけましたが、出来ればこのような話を県や市町村の担当者が出前講座などで積極的に訴えていって頂きたいと感じた次第です。
講習会の最後にお話しした方から、「ところで、三位一体とは、何と何と何のことでしょうか」と聞かれました。補助金、地方税、交付税を一体的に改革することだと講習会の中で話をしたつもりでしたが、何故それを一緒に改革することが意味があるのか、一度で理解するのは難しいのだなあと思い知りました。
地方自治体関係者以外の方にも、地方制度の問題に関心を持っていただくことの必要性を再確認しました。
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