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May 08, 2005

遠隔地披露宴での「第三国研修」

山口県、鹿児島県とほぼ毎週末続く結婚式シリーズの第3騨は札幌での結婚式でした。

職場の元同僚の結婚式に参加するために一泊二日で出かけました。

連休といっても、札幌はまだ桜も咲かない寒いゴールデンウィークでした。旭川では雪が降ったとテレビで報道していました。

しかし、結婚式と披露宴は心のこもった温かい式となりました。カトリック北一条教会で結婚式を執り行い、そのあと披露宴はJRタワーホテル日航札幌で行われました。教会は木造の開拓時代を忍ばせる質実剛健な雰囲気のあるたたずまいでした。勝谷太治神父の「コリント人への手紙1 13章 1節~8節」の朗読を久しぶりに聞きました。「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを懐かない。・・・」という言葉は、何度聞いても初心に帰る思いがします。 

札幌駅に併設されたJRタワーホテルは始めて訪れましたが、JRの札幌駅は超近代的ビルに変身しています。驚きました。ゆったりとしたスペースにありとあらゆる商業文化施設が集まっています。若い人にとって札幌の楽しみはここで全て済んでしまいそうな勢いです。

国鉄時代は、「民業圧迫」ということで、駅の集客メリットを活用した事業展開が出来ずにいましたが、民営化後のJRは、駅(特にターミナル駅)の機能をフルに活用し、付加価値の高いビジネスに乗り出しています。変われば変わるものです。思わず、郵政公社が民営化した場合には、同じような効果が出てくるのかなあと想像してしまいました。少なくとも、都市部では同様な効果が期待できるかも知れません。

新郎新婦とも北広島町の出身で、札幌で式を挙げたのです。新郎は国から出向し現在の勤務先は岐阜県各務原市です。元の職場や現在の職場から多くの友人や同僚が駆けつけました。同僚や部下の面倒見のよい新郎の日頃の実践が披露宴の場で期せずして明らかになっていました。

各務原市の森真市長と同じテーブルに居合わせました。明るく開放的な市長さんから、披露宴の間、いろんなお話を承りました。各務原市は、財政力を高める産業集積を果たしながら、都市ビジョンを明確に示してまちづくりを行っているところとして全国に有名ですが、市長さんからは、「今回の三位一体改革は、何としてもやりとげなくてはならない。自治体も変革をとげるよいチャンスだと前向きに捉えることが重要だ」、との有り難い激励の言葉を頂きました。

森市長に言わせると、「今の自治体の首長は、県の会合がある度に、恨み辛みのオンパレードだが、そんなことではいけない。国も県も大変なのだ。皆苦しい中で、自分の足で立てる体制をどうやって作るか、それが今の三位一体の改革の目指すところなのだ。将来の日本をどうするかという視点の改革が進行しているのであり、損得の視点で見ていったらダメだ。」とのこと。

私にとっては、我が意を得たりのお言葉でした。更に市長は、「地方分権で、権限と財源の次に、人材の問題が忘れられている。権限と財源が地方に移譲される際に、霞ヶ関の人材を地方で喜んで引き受けるような姿勢が必要だ。帰りなんいざ、故郷へ、というメッセージを霞ヶ関に送りたい。皆さんの仕事は、無くなるわけではないのだ」と続けておられました。

地方分権の進展で、霞ヶ関から仕事がなくなり国家公務員のリストラに繋がるのではないかと漠然とした不安がある中での、森市長さんの先を読んだ発想は、卓見だと感じ入りました。

私としては、そこまで行ったらそれこそたいしたものだと思いますが、市長さんにしてみると、実際のところ、今後更に権限と財源を得て、市役所の企画力・実行力の強化の必要性を感じておられる様子も垣間見えました。各務原市では、国から何人かの出向職員を受け入れ、切磋琢磨の機会を作っているのも、職員に対する「刺激」のためであるようです。「市民のために誰が良い仕事をしてくれるかが問題であり、今の市役所の職員のための地方分権ではないはずだ」という視座には敬意を表さざるを得ませんでした。

後で、インターネットで各務原市の特色を調べてみましたが、各務原は義務教育の水準においても全国的にも非常に高い水準を維持しているようです。日本で最初に、全小学校で、"やさしい英会話授業"を始め、IT教育先進都市だそうです。子どもたちの下校時に、市内全地域で約2500人のボランタティアが通学路見守り隊として、子どもたちの安全を確保している取り組みも行われているとのこと。落ちこぼれをなくし、伸びる子はどんどん伸ばす夏休みの全生徒対象のサマー・スクールも全国的に有名なのだそうです。日曜日の午前、"各務野自然遺産の森"で、自然体験塾も開催し、親子の課外カリキュラムとして好評のようです。

地方自治の可能性を自ら実践し開拓しておられる市長さんの話を直接伺う機会を、各務原と遠く離れた札幌で得られたことは、これこそ、「セレンディピティー」、あるいは、お互いにとって遠隔地における研修という意味の「第三国研修」だと感じ入った次第です。

披露宴の後は、北海道庁、札幌市の仲間と、夜遅くまで懇談しました。国から北海道に出向している元同僚、北海道から国に出向経験のある仲間、また、国からの出向者を長年温かい目で見守ってきてくれた姉御肌の妙齢の女史と一緒に語り合いました。北海道庁伝統の座敷芸「まりも」話などを酒宴の中で聞いていましたが、私はこういう話は初めてでした。このブログでの披露は憚られますが・・・

時代が変わって、今ではなかなかこういう機会はもてません。せめて披露宴で訪れた際に、情報交換の機会がもてて、私にとっては望外の勉強になった札幌行きでした。「犬も歩けば棒に当たる」の心境です。

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