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April 11, 2005

「あずさ」の車窓からの花見

4月10日松本に日帰り往復しました。スタートの東京は桜が満開でしたが、幸運なことに「あずさ」の往路はさしずめ花見見物となりました。

いつもはすぐ眠りこけてしまうのですが、今日は車窓からの風景をじっくり3時間観察しました。

本当に感動的な花見紀行になりました。中央線沿線の都内から相模湖、山梨県境あたりまでは、ソメイヨシノだけでなく、シダレザクラ、ユキヤナギ、モクレン、シバザクラなどが咲き乱れていました。菜の花、水仙もちゃっかりと咲いており、本当に目の保養になりました。ハイカーがリュックサックを背負って田舎道を元気よく歩いている姿も何組も見受けました。思えば私も久しくハイキングをしていません。

本当に弾ける春という形容がピッタリです。中央線沿線に大きな岩山を背景に岩殿城趾が臨めますが、天幕を張った花見の舞台がセットされていました。絶景の花見舞台がこしらえてありました。思わず、武田信玄もこのような花見をしたのかなあと、想像しましたが、実はこれは完全な間違いなのです。

というもの、ソメイヨシノは、武田信玄の時代には無かったのですから。ソメイヨシノのことを調べてみると、「オオシマザクラとエドヒガンザクラの雑種であるために子孫を残す能力がない品種」と解説が出てきます。ソメイヨシノは自然交配によって偶然できたというのが定説で、偶然これを見つけた江戸の植木屋が「吉野」の名前で売り出したのが始まりだということのようです。花が咲いた後に種子を作ることすら希だということなのです。

ソメイヨシノを増やしてきたのは、それこそ人為的なものなのです。 人間が接ぎ木をすることで増やし、各地に植えて増やしてきたのだそうです。

東京で見るソメイヨシノも、松本で見るソメイヨシノも同じ個体だということになり、「桜前線」という独特の予報を成立させているのも、全てのソメイヨシノに個体差がないことにより、日本の季節の変化がそのまま桜の開花に結びつけて考えることが出来るということになるのだそうです。 ソメイヨシノに個性があるなら、ばらつきが生じることになり、桜前線という言葉も成立しないようです。

それにしても、このソメイヨシノを植え続けた日本人の営みは凄いなあと感心します。

中央線を更に北上し、甲府盆地に入りましたが、今度は鮮やかなピンクの花と淡い白い花が目に入ってきました。ピンクは桃の花、白は梨です。この時期にしかお目にかかれない絶景です。特にピンクの花は艶やかで、農家の方が、梯子に登り、摘果をしている姿が眩しく目に入ってきました。

思わず、南北を問わず朝鮮半島でもっとも愛されている童謡「故郷の春」(コヒャンゲポン)という歌を口ずさみました。「私が生まれた故郷は、花咲く山里。桃の花、あんずの花、ひめつつじの花。色とりどりの花が咲きほこる村。その中で遊んだころが懐かしい。」(ナエサルドン コヒャグン コピヌンサンゴル ポクスガッコ サルグッコ アギチンダルレ ウルグップルグ コッデゴル チャリインドンネ クソゲソノルドンテーガ クリプスムニダ) という歌です。毎朝のハングル講座が役立ちました。

桜の花はこの歌の中では出てきませんが、車窓から見る百花繚乱の雰囲気は、この歌のイメージそのものです。

富士見高原を抜け長野に入ると、桜の花を見かけなくなりました。まだ梅が咲いています。この短い距離の中にも季節の時間差があることが鮮やかに判明します。

松本では、本日漸く桜の開花宣言が出たようです。

まだ春の花が少ない四柱神社の境内で昼食をとり、市内のホールで、三位一体の講習会に臨みました。中信地区の首長さんや議会の関係者の方がお集まりの研修会に呼ばれたのです。2時間ほどの話をさせていただきましたが、ソメイヨシノの植裁とは異なり、このような人為的改革は、理解を得るのがなかなか難しいものがあると感じました。それでも、将来の国の姿を少しでもよくするために、何とか乗り越えなければならない改革なのですと訴えて参りました。

中央線沿線のソメイヨシノとは異なり、いささか感性に訴える力は弱かったかも知れません。 

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