合併に寄せる心境
松本市は、長野県内で最も広い市として新に発足しましたが、隣接する岐阜県の高山市は、日本一広い市としてこの2月1日に新に発足しています。
人口は、10万人を若干下回りますが、面積は、香川県や大阪府よりも広く東京都並だそうです。
合併により財政力指数が0.74から0.47まで低下し、借金も増え2.4倍の規模になっているのだそうです。職員数も合併前の580人が1250人を超え、適正規模の職員数としていくことが求められているようです。
合併により、一時的に職員がだぶつく印象が出ますが、中期的にはスリム化が図れるはずです。その分だけ、合併前はコストをかけて行政運営を行ってきたという証左かも知れません。
土野守高山市長も、松本の市長と同じように、「合併してよかった」と評価してもらえるまちづくりを進める決意を表明しておられます。高山市は松本市の姉妹都市ですが、北アルプスをはさんで隣接することになりました。
ところで、市町村合併を実現するために、関係者の決意には非常に重いものがあります。特に編入合併の場合、3役や議員が自らの失職を覚悟して、その自治体の将来のために良かれ、と決断するわけですから、文字通り「無私」の心構えがあるものと思われます。ある日を境に、名刺の肩書きと収入が無くなるのですから。
長野県内のある市に編入された町村の3役の中には結構若い方もおられ、市長はその方に再雇用を提示したという話を仄聞しましたが、「自分だけ再雇用されたら、この町で生きていけない」と固辞されたそうです。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という信濃武士の矜持を感じたエピソードです。
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