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February 26, 2005

「御諏訪太鼓」と「叔父叔母孝行」

2月26日、渋谷のNHKホールで伝統芸能祭りを鑑賞してきました。狂言の大蔵流「居杭」、文楽とロックを組み合わせた「ロック曽根崎心中」などのプロの演ずる伝統芸能に加え、「御諏訪太鼓」、「笑い講」、「北之幸谷の獅子舞」、「南大塚の餅つき踊り」、「石井の七福神」といった地域伝統芸能も鑑賞しました。蒲田に在住の83歳と80歳の叔父叔母を誘って3人で出かけました。

山本東次郎、山本則直、山本稟太朗の3人で舞った「居杭」は、清水寺で授かった姿の消える効果のある頭巾をかぶって、「居杭」という名の子供が、二人の大人をからかうというコメディータッチの狂言でした。安土桃山時代に、豊臣秀吉が、徳川家康、前田利家を相手にこの居杭を演じたという記録もあるようです。

ロックミュージックをバックに文楽を演じるという趣向も、奇抜ではありましたが、リズムがぴったりと合っていました。近松門左衛門作の「曽根崎心中」の「お初」と「徳兵衛」の道行きを、ロックサウンドに載せるというアイデアの勝利のように感じました。宇崎竜童、宇崎亜美、阿木燿子の組み合わせのパーフォーマンスは観客を魅了していました。「お初」を「操作」した文楽の関係者は、「こういう趣向で若い人が文楽に入ってきてくれると有り難い」と、本音を覗かせていました。

「御諏訪太鼓」は私は初めてでしたが、迫力満点でした。大国主命の御子である建御名方の命を祭る諏訪大社の太々神楽、鼓舞楽として伝承されてきたもので、中世には軍楽としても用いられ、武田信玄は川中島合戦で諏訪太鼓21人衆を編成し、志気鼓舞を図った歴史もあるとのことです。

御諏訪太鼓の特色は、太鼓を複式復打法によるオーケストラ方式に仕げていることにあるのだそうです。昭和26年に御諏訪太鼓流家元7代目宗家小口大八さんが創案完成したものだそうですが、現在81歳になるその小口さんが、今回の演奏の全体の指揮を執っておられました。

「太鼓という縄文時代から伝わる道具が、神社仏閣に備えられ、神々や祖先と現世の人々を結びつける精神性を具備し今日に伝えられている。それを若い人に伝えていくことで、伝統文化を伝承するとともに、若い人の精神修養にも繋がっていくことを期待してやっている。全国の各地で若い人がこういう伝統文化に目を向けようという動きが広まっていることは喜ばしいことだ」という趣旨のことを、小口さんがはっきりと述べられておられました。

太鼓の勇壮なリズムとともに心に響く小口さんの言葉でした。

私の叔父と叔母も、感動したようでした。帰りに渋谷で久しぶりに夕食を共にしましたが、もう少し長生きできそうな気分になっていただけたようです。こちらが夕食をおごってもらう羽目になってしまいました。

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