下伊那 never give up
泰阜村長の松島さんとの約束を果たすために2月19日に下伊那に行って来ました。根羽村長の小木曽さん、阿智村長の岡庭さん、 天龍村長の大平さん、売木村長の松村さん、平谷村長の小池さん、下条村長の伊藤さんほか下伊那の町村長、議会関 係者、役場職員の皆様が100人くらいお集りの会で、「三位一体改革」の議論の詳細をご紹介させていただきました。
2時間半の講習会となり、声が枯れました。 この地域は特に交付税に依存する度合いが強く、今後の交付税議論に心配の声が強いことを改めて感じました。私の方から、三位一体議論は、一方的な交付税削減議論に対して、地方の税財源のあり方をトータルで議論しようとするものであり、三位一体議論の中では交付税はむしろセイフティーネットとしての役割が認識され、「守られている」のであり、仮に三位一体議論がなかりせば、交付税への風当たりだけが突出し、今よりも更にひどい議論になっていたのではないか、と認識していると申し上げました。
三位一体改革の中で必要な交付税が確保されるということで、この一両年は「少し時間が出来た」と認識し、19年度以降の「嵐」に備えて欲しい、今は行革で体力を付けておくときであり今が苦しいと思ったら大間違いである、と申し上げました。
こうした議論が下伊那の行政関係者・議会関係者にどの程度通じたかどうかは分かりませんが、夕方の懇談会の中では、話が盛り上がりました。霞ヶ関で唯一自治体の立場に立って三位一体改革を推進している総務省をバックアップしていくために、下伊那の町村も政治的に頑張るとの、温かいエールを頂戴しました。
下伊那まで足を伸ばしたのは初めてでしたが、 「夜明け前」の木曽谷に劣らない過酷な地形の中にある地域だということを 再認識しました。都会の効率性の指標だけでは図りがたい高コスト要因が排除できません。こういう地域を守っている人が沢山いることをしっかりと認識し、財政制度も組み立てていかないといけません。
ところで、下条村長の伊藤さんの話では、下條村はバブル経済対策の際にも公共事業に頼らず、行革の努力を継続し、今は「予算編成でお金が余る」状態なのだそうです。職員数も大幅に削減し、事務効率を高め、職員の意識も高く、「残業手当の要求もない」のだそうです。仕事が遅くて残業しているのに手当てを要求するのは恥ずかしいとの意識が職員の中にもあるようです。下水道も、メンテに金のかかる公共下水や集落排水ではなく、合併浄化槽で対応したのだそうです。後の維持費のことまで考えて仕事をするスタイルが定着しているのだそうです。元々ガソリンスタンド経営者の村長は、薄利の商売で身につけた徹底的なコスト削減のノウハウを行政に生かしておられます。
この点は、流石の泰阜村も及ばない点のようです。地方行政も、首長の手腕如何で結果が大きく異なる時代になってきています。
今回下伊那に行くのに、中央線ではなく、新幹線で豊橋まで行き、そこから飯田線で平岡下車、帰りは天竜峡からやはり飯田線で豊橋、新幹線というルートを取りました。そういう行き方があるとは実は知りませんでした。
飯田線は、天竜川に沿った単線で、切り立った岩肌と天竜川を車窓に見ながらの旅は、なかなかのものではありました。
途中、宇連川という川がありましたが、その川底が一枚岩で平たいもので繋がっており、興味深く眺めてきました。
天竜川はその源を諏訪湖に発することもあり、余りきれいな川ではありませんが、多くの支流は清流が多く、それが注ぎ込むことで本流も少しづつきれいになっているようです。
平岡で特急を降りて、天龍村、南信濃村、阿南町、泰阜村、下條村と、松島村長に車で案内してもらいました。村長さん自らの運転です。
この地域の道路は細い道路も多く、また大きな岩が道路に落ちていたりで、ヒヤリとすることもあります。村長さんがいろいろ説明しながら運転されるので、「脇見運転」になりかける場面もありました。
泰阜村の役場に寄りましたが、村長室は無し、大部屋の端に村長の机がありました。職員の方を向いているので、煙たがられているのでは、と申し上げました。どうもそうらしいです。
ストーブがありましたが、何と、薪ストーブ。役場の軒先に薪が積んでありました。これに石油ストーブを加えて寒さを凌いでいます。冷房設備はありません。標高が700メートルを超えているので要らないのだそうです。こうして燃料費を節約しているのだそうです。
根羽(ねば)村の財政も非常に厳しいようです。懇談会で小木曽村長に、「財政再建をするのは名前からして難しそうですね、neverではね」、と申し上げると、「never give up で頑張る」と切り返されました。
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