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January 09, 2005

「情けは人のためならず」・・・災害体験を経て結束した八戸防火管理者協会

2年前の暮れに開通したばかりの「はやて」に乗って八戸に行って来ました。「あずさ」で松本に行くよりも早いのです。八戸地域広域防火管理者協会という事業所の防火管理者の関係団体が地域の防災活動をしていると聞いて、取材に出かけました。出かけてみて、びっくりしました。

防火管理者の知識の向上といった本来業務に加え、住民の防火意見発表会、無火災地区の表彰事業、2000人の参加者を集める感動的な防災フェスタの開催、災害弱者支援事業としての住宅用防災器具の寄贈、幼年、少年、婦人消防クラブ等の活動支援、内容豊富な会報の発行といった幅広い事業を行っています。一言でいえば、八戸地域の地域防災の守護神となっているかのような位置づけです。協会には歌があり、「地域を護る使命は高い、ここに応えて結成し力、我ら広域防火管理者協会」と志気は高いのです。

八甲田を越えてくる強風は乾燥し、昔から一度火災が発生すると大火となって市域を舐め尽くした災害の記憶が市民に焼き付いています。そうしたこともあり、防災意識は極めて高く、協会の活動は幅広い市民の支持を受けています。協会も、「職場の防火は、地域の防火により全うされる」という思想を高く掲げ、協会の行動の意義を哲学的に昇華させています。 

「この協会活動は官民が非常にうまく協調した模範例です」と協会長の神山公佑八戸プラザホテル代表取締役は胸を張っておられました。しかし、うまくいかせるために仕組みも工夫されています。協会を複数の部会に分かち、業種を大括りにまとめています。このことが、部会の会合が業界の悩みや情報を交換できる機会ともなっています。OBになっても、防火管理者協会の活動が楽しく、抜けないで会員となっている人も多いといいます。

会費は、原則年間一万円と決して安いとは言えませんが、それ以上に参加者は得るものが多いということのようです。町村役場も会員であり、総務課長がきちんと会費を払って出ています。

「防火」「防災」をキーワードに、業種を超えて地域社会活動、防災まちづくり事業が協会を軸に行われている、というのが実態です。神山会長がふと漏らされました。「私も事業をやっていますが、事業をやる場合、商売のことだけを考えてもうまくはいかないのです。地域社会に尽くしていれば、結果として自らの事業もよくなるのです」と。情けは人のためならず、を皆が感じて取り組んでいる助け合いの精神がほとばしり出る地に足のついた防災まちづくりだと感じた次第です。 

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