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January 09, 2005

教育現場の忙しさが阻む命の教育

以前、山口県宇部市の防災NPO取材に行く機会がありました。宇部市と山口大学工学部、それに日赤や社会福祉協議会、ライフライン関係者、民間ボランティアーが作ったNPOで、宇部防災ネットワーク(UBN)と言います。

市民の防災教育やDIGと呼ばれる身の回りの危険を皆で地図上で共有する防災訓練などをしています。コミュニティーFMを使い、防災啓発番組も流しています。

山口大学工学部がIT技術を市民防災に提供し、それを宇部市が若干の資金を提供しNPOに実施を促す、という官と学と中間支援組織がうまくマッチングした動きをしています。消防庁の防災まちづり大賞の受賞もしている団体です。

感心するような話ばかりでしたが、一つ気になったことがありました。それは、防災まちづくりに中学生高校生それに
学校の先生の姿がないことでした。

その理由を尋ねると、「先生方が忙しくてとてもとても」という事でした。将来の巨大災害を控え、その時の災害対応の当事者たるべき人々が、先生方の忙しさを理由に表に出てきていないのは残念です。これこそがこれからの課題です。

私の知り合いの、兵庫県の舞子高校の諏訪先生も提案されておられますが、例えば一週間、各教科の授業内容を防災に関わりのあるものを持ち寄り生徒に教えるというようなことも可能だと思います。社会科であれば災害の歴史、理科で有れば火山の成り立ちや津波発生のメカニズム、数学で有れば、津波の伝わるスピードと逃げる人の逃げる速さを比較し、助かるか助からないかを数字で示す、などの工夫も出来ます。要はやる気の問題だと思います。その場に、NPOの方を呼んでもいいのです。

一方で、先生方の忙しさの理由は、「教育改革」でした。昔からの仕事が未整理なままの改革で、事務作業が膨大になっているようでした。

同じ事は大学改革にも言えるようです。独立法人化で、「大学の教官に研究以外の事務作業が増え、研究がおろそかになっている。若手の学者はそれが嫌で、研究環境に恵まれた民間の研究機関や会社に移っている」と大坂・山口大学工学部長は嘆いておられました。改革も、実際の現場では思わぬ結果をもたらすことが往々にしてあるのです。

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Tracked on January 09, 2005 at 09:02 PM

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