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January 09, 2005

霧島連山

一度読みたいと思っていた石黒 耀氏著の「死都日本」を読む機会がありました。読むまでは、本の厚さに圧倒されましたが、読み始めると一気加勢でした。まるで「火砕流」のように。

数年前になりますが、お正月明けに、霧島連山を訪ねたこともあり、あのあたりの地理を思い浮かべながら読み進めることが出来ました。その後、東大の荒牧名誉教授とともに鹿児島を訪れる機会があり、先生から、入戸火砕流、姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラなどのお話を現地の地形に即して伺う機会に恵まれました。その折の教授のお話と、石黒氏のこの小説が、面白いように重なり合いました。

その際のわずかな経験からしても、この小説は決して荒唐無稽なものではなく、理論的に一定の確率でありうるものであると、確信しました。霧島火山は実は加久藤カルデラの一つの火山に過ぎない、ということも、現地の地理をよく見ると納得してしまいます。

小説では、火山の噴火に連動して、東海地震、東南海地震、南海地震、富士山噴火の連動にも触れていますが、これは決してありえない事ではないのです。現に1707年の宝永地震の際には、これらが連動しています。それに加え、元禄地震(関東大震災に相当する地震)も起きているのです。

以前もこのブログで紹介しましたが、地震考古学の寒川東大教授は、以下のような所論を述べておられます。

・地震にはハザードの面から「100点満点」とも言える地震がある。
・1707年の宝永地震がそれで、この時には、南海トラフが全て割れて、南海、東南海、東海地震が同時におきた。そしてその4年前、1703年には相模トラフが割れ、江戸が元禄大地震に見舞われました。元禄地震は関東大震災の3-4倍の大きさで、マグニチュード8.3の巨大地震。
・そして、1707年暮れには富士山まで噴火し、この宝永噴火で江戸が真っ暗になっている。
・これがいろいろなハザードが一斉に重なるという意味で、日本においては「100点満点」の地震である。

この小説では、たまたま霧島火山を取り上げていますが、日本列島が、火山と地震によって成り立っている国土であること、それを国民が十分に意識していかなければならないことを、ややショッキングな形で啓発してくれる良書だと思います。

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Comments

TPOの問題だと思います。先生の講義は、あくまでもハザードの問題と断って、大学内でお話しをされたものです。被害の観点から見ると、当然別のボキャブラリーがあると思います。「お亡くなりになった方」というか「死者」というか、それも場面により異なります。全てを一つの見方で割り切ると、話が出来なくなります。
おっしゃることは理解できますが、「灯台」などと書かれると、被害軽減策を訴えておられる専門家も傷つきます。「中越地震は、○○点の地震で、神戸の地震は○○点」などという話もするはずなどありません。
来るべき南海地震が如何に大きなものであるか、それに備えるためには相当のことが必要だと、訴えるためのものだということで私は理解しました。

Posted by: むーさん | January 13, 2005 at 11:40 AM

もし、現地で「中越地震は、○○点の地震で、神戸の地震は○○点でありました。」なんて
灯台の大先生が、講演したら傷ついちゃいますよね。被災者の方々が....(^^;

心のケア、大切ですね!

Posted by: U-1 | January 13, 2005 at 09:41 AM

誤解を招きやすい表現は宜しくないですね。訂正しましょう。

Posted by: むーさん | January 11, 2005 at 01:09 PM

ご教示、たいへんありがとうございます。
我ら、凡人には、難解で、誤解を招きます。
新潟も、浅間山噴火の後、間もなかったですが、
ありゃ、何点なんでしょう。

Posted by: U-1 | January 11, 2005 at 10:46 AM

寒川教授は、ハザードのことを指して「満点」とおっしゃておられます。ハザードとは、自然の活動です。それが人間社会に作用して災害=ディザスターとなります。ことの善し悪しの評価を加えて「百点満点」とおっしゃっておられないことを申し添えます。

Posted by: むーさん | January 10, 2005 at 08:26 PM

寒川東大教授の「・地震には100点満点の地震がある。」という意味が、分かりません。
私達、凡人には、「100点満点」というのは、良い意味で使われますが....?

Posted by: U-1 | January 09, 2005 at 09:01 PM

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