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January 08, 2005

地域防災力が命を救う

阪神大震災の10周年が近づいていますが、昨年1月17日のNHKスペシャルで「地域防災力が命を救う」との番組がありました。「我が意を得たり」の内容でした。スマトラ沖の巨大地震で多くの方が亡くなり、情報の伝達や被災者への物資の供給体制など様々な課題が指摘されていますが、我が国の地域防災の経験をアジアの地域にも伝えていくことが必要だと思われます。特に、自主防災組織の経験は重要です。以下に、その番組の内容をご紹介します。

(北淡町の経験)
阪神淡路大震災時、淡路島北淡町6割の家屋倒壊。300人生き埋め。11時間で全員救出終了。地域防災力発揮。迅速な救出が可能だった理由は何か。

山口消防団員の話。梁に挟まれて救出を待っていた小川さんの家に駆けつける。後ろから火事が迫る。消防団員である山口さんは火事対応に。

神林さんという地域の人に小川さん救出を頼む。近所の人に助けられた小川さん。地震発生直後から集結した住民達が大きな力に。

北淡町では2時間で29%が救出されていた。警察・消防は少ない人数で対応不十分。神木消防署長の話では、機材不足も大きな問題であった。

上岡さんは潰れた家の下敷きで身動きがとれず。近所の人が集まった。住民は屋根に穴を開けるために道具を集めた。大工の三木さんが大工道具、自動車工場からもってきたジャッキで梁を動かし救出成功。住民達が持ち寄った機材で活動。

消防団が地域で住民情報を集め救出に役立てた。榛原団員の述懐。夕食のおかずを届けるなど頻繁に佐々木さんの家を訪れていた北さんの情報で大きな家に住む佐々木さんの居場所がピンポイントで判明。情報が多くの命を救った。

北淡町では午前11時には87%が救出されていた。姫路の自衛隊は9時にはスタンバイ。要請の遅れなどで自衛隊が北淡町に到着直前に全ての人が救出されていた。16時52分全ての活動が終了。非常に早い救出。

(自主防災活動の重要性)
室崎神戸大学教授の話。自主防災活動には人手、道具、情報が備わっていることが必要。其れがあるだけではなく、それを力にするためには、リーダー、日常的な地域の繋がりが重要。都市部ではそれが欠けており問題。

自主防災組織では、人手や道具をどうやって確保しているのか。

荒川区の「おんぶ作戦」。おんぶ紐により人を背負っても両手が使える。住宅密集地の30人の自主防災組織の例。町内会費をやりくりして道具を調達。過半数が50歳以上の男性。若い人手を確保する必要。石山光雄代表の若手確保活動は、しかし、難航。

神戸市の例。神戸市は小学校区毎の自主防災組織結成。避難所が小学校だったことから。運動会を防災運動会に。小学校区では幅広い世代に参加を促しやすい。神戸市消防局の作戦。

昼間サラリーマンが地域にいない。そこで女性の力を活用。平成11年に平日の昼間水害が起こった。神戸市東山小学校区。会社勤めの男性が多く人手が足りず、婦人消火隊のメンバーが呼ばれ、活動に参加。

全国では53%の市町村が自主防災組織支援策あり。

静岡県の自主防災組織支援対応策。東海地震対策には自主防災組織の力を強化しなければ対応できないとの結論。リーダー養成。DIGと呼ばれる災害時の想定図上訓練。県の訓練では30分ごとに新しい課題が与えられていく。寝たきりの人が居る、雨が降っている、どうするか。参加者から少しづつ具体的な意見が出始める。自主防災組織のリーダーには迅速で的確な判断が求められる。

自主防災組織は全国ベースで、量的には6割になっている。これからは中身の問題に。いろんな人が参加できるという取り組みが必要。子供が参加すると親も入ってくる。人を助けるには技術も必要。現場でみんなで歩きながら一緒に考える、といったことも必要。

命の問題に関わる自主防災活動に国や自治体が果たす責任も大きい。


(プライバシーとの調整問題)
人手、道具に加え、情報が重要。隣近所のつながりが薄い都市部では、プライバシーの壁がある。長田区では地震後2ヶ月たって一人暮らしの女性が餓死しているのが発見された。検死の結果、震災後一週間は生きていた。誰からも省みられず死亡。

神戸市長田小学校区の自主防災組織の活動では、要援護者の情報の地図上のデータベースを作成。川福会長の話。自主防災組織は行政の持つ情報を期待したが、協力を得られず。そこで、民生委員からの協力の申し出があった。震災の時にせっかくの情報を活用できなかった大久保民生委員の反省。そこで、要援護者本人の同意を得て、最小限の情報に限って入力。情報管理を徹底。川福代表は、「危機管理にはプライバシーも乗り越える」必要もあるとの認識。

板橋区は、倒壊危険度を住宅毎に把握し、それと要援護者の情報を組み合わせる企画に取り組んでいる。板橋区400人の職員を地区毎の担当に指名し、災害時に地域の自主防災組織と協力し作業をする、との企画。福祉部門と協議中。

藤井寺市では自主防災組織のリーダーの自宅に保管している例も。

自主防災組織と、自治体、学校、病院、企業などを組み合わせてパワーアップしていくことが可能となる。

自分のまちの地域防災力を見つめ直すことが求められている。

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Comments

こんにちは。
地域防災力って何でしょうね。少なくとも、今はほとんど存在しない力です。
災害が増えると、地域に対する期待(役割)もどんどん膨らみます。
でも、彼らはプロではありませんし、責任も持たないセクターです。
地域防災力が必要だから、地域の方々がそれを担うというのは短絡的な結論だと思います。
もっとプロが責任を持って担う方向性も考えておく必要があると思いますね。

Posted by: ruleoflaw1960 | January 13, 2005 at 11:53 PM

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