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January 13, 2005

ふるさと仕送り税

私どもの年代のものにとって、老いた両親のことは非常に気がかりです。田舎に親を残して、都会で生活の本拠を築いているのが自らの現実です。そして、最後は親の面倒を地域社会に依存しなくてはいけない現実を見るにつけ、親を「預かって」いただいている地域社会に感謝申し上げないといけないなあと思っています。

例えば、私の個人住民税は目黒区に納めていますが、親のいる出身地に一部納入したいなあ などと、常日頃思う次第です。こういう「税の仕送り」ができれば、私の田舎の市町村などは、「自主財源の涵養」が出来ることにもなります。

ことは、住民税の本質に関わる問題ではありますが、つらつら考えるに、決して理不尽ではないと思えます。最近の地方分権の動きの中で、どういう理屈を立てていけるのか、大いに研究していただければいいなあと思います。

東大の井堀教授は、税を支払う際に、申告書に、どのような歳出に税を使ってもらいたいか、書く欄を作るべきだと言っておられました。納税の申告時に、納税者の立場から重視する歳出分野が明らかになるということでしょう。その人の納税額に応じてウェート付けを行えば、実際に納税している人の意識と(税を納めていない人を含む)一般国民の意識のギャップも明らかになると思います。

そのアナロジーが納税地の選択、と言えると思います。例えば、住民税を一定程度以上納めている人に限って、ある額以上については、その人に縁のある地方自治体に住民税を納めることを認める、といったことはありうると思います。住民税の本質は、所得税と異なり、応益課税的なものがあります。応益である以上、住所地以外に応益性を感じる地域に対して納税もありうるということになります。親が住んでいる、別荘がある、子供が越境入学している、などなどです。もとより、「好き嫌いでの」恣意的な選択は論外ですが、理由のあるものであれば検討可能ではないでしょうか。

その場合、地方公共団体間の税源争奪、という問題が最大の課題です。東京都、神奈川県などは大反対だと思い
ます。合理的なルールをきちんと作れるかが問題解決のキーポイントです。

過日、某省のエレベーターの中で、ある役人OBが、「区民税は高い、俺は区のサービスなど何も受けていないのに毎月40万円も区民税を払っているおかしい」と税務担当課長に対して噛みついていました。私などは「それはあなたの所得が能力以上だという証明ではないか」と思わず言いたくなりましたが、これは心の中で抑えました。しかし、多かれ少なかれそう思っている人は少なくないと思えます。

特に子供を私立の中学高校にやっている人などは、最大の行政サービスである公立学校の教育サービスを、税を負担しているのに受けていないいという、決定的な立場に立っています。そういう人ほど高い税金を払っていながら、受ける行政サービスは少なく、支払う教育費負担は更に多く、という二重の負担状態に陥っています。

この場合、少しでも、行政サービスに応じた税負担という形が取れれば、納得して税の負担をお願いしやすくなるということにもなるのではないか、と思えてきます。

現在、地方交付税のあり方の見直しも行われつつあります。財源保証的機能を弱めるべきである、と、財務省が執拗に主張しています。また国税の地方税源移譲で、大都市地域への税源偏在の是正という課題解決の手法も検討していかなくてはなりません。地方交付税の財源保障機能を弱めるなどということはもとより論外ですが、一定のルールの下での、納税地指定制度は、結果としての税源偏在の是正という観点からも、理論的に詰めてみるべき課題のように思えます。

注意しなければならないのは、特定の県が、他の都道府県の鼻をあかすような形で一人相撲をとることです。それでは、折角の構想も、反発ばかりを受けて得策ではないと思えます。地方6団体の内部の研究会などで、理論的によく詰めて、他の団体とも調整しながら進めていくのが必要だ、と思える次第です。



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