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December 19, 2004

水の都東京

以前、神田川船の会の林福松さんのご案内で、浜松町の船宿「縄定」から小舟に乗り、隅田川、神田川、日本橋川と、都心臨海地帯を川から眺めるツアーに参加しました。環境NPOの市民学習講座の一環でした。

正直、東京がこんなに見えないところに川が張り巡らされているとは知りませんでした。隅田川沿いには読売新聞の近代的ビルが清洲橋近くに「環境に配慮した形」でそびえ立っていました。松尾芭蕉の座像が名木川と隅田川の合流点(小名木川の入り口)いありました。ここから奥の細道の旅に旅発ったのだそうです。

柳橋から隅田川を離れ神田川に入りました。神田川は江戸幕府が当時の神田山を掘削して、江戸城の外堀を形成、運河形成、水害防除の観点から作られた人口の川で、その掘削排出土で当時の日比谷入り江、八丁堀、小川町、銀座などを埋め立て、江戸の町を大きくしていったのだそうです。

浅草橋、神田ふれあい橋、万世橋ときて昌平橋、聖橋、お茶の水橋に差し掛かりましたが、流石に聖橋やお茶の水橋は私もよく見知っておりました。ああ、下から見るとこんな風に見えるのか、と。

東京ドームの先の後楽橋の所から三崎橋に入り、ここからは日本橋川です。川の上はずうっと首都高速が覆っておりました。宝田橋辺りから江戸時代に築かれた石垣が残されておりました。丸に十の字の薩摩藩のマークが入った石などがありました。天下普請の跡なのでしょう。一つ橋、神田橋辺りまで石垣がなんとか残されています。しかし、ビルなどの重みなのか、石垣がでっぱら状態になっているのが気になりました。いずれ改修が必要なようです。

日本橋は流石に立派です。今年で90年の花崗岩の橋です。関東大震災や戦災の影響で黒ずんでいる部分がありました。しかし、日本橋の上を、高速道路が覆っているのは、文化を重んじてこなかった高度成長時代の負の遺産な
のでしょうか。でも近く日本橋を上からも下からも奇麗に清掃する企画があるのだそうです。日本橋を覆っている高速
道路の天井部分には、それでも蛍光灯がついており、日本橋を少しでも明るくしておこうという配慮はありました。

湊橋、豊海橋を越えて、もとの隅田川に戻りました。中央大橋の左岸にリバーシティー21という高層マンションがそびえていますが、そのマンションの最上階に松井秀喜選手が住んでいたのだそうです。NYでも彼は高層ビルに住んでいるようですが、松井選手は高いところが好きなのでしょうか。

勝鬨橋も昭和45年以降橋が上がらなくなっているようですが、最近、橋を上げようという運動が起こっているのだそう
です。築地の「治作」という料理屋が目に入りました。昔はここで、長野県庁の皆様と会費制ながら毎年一度は懇談したことを思い出しました。今は皆無であり、昔が「古き良き時代」だったのでしょうか。それにしても極端から極端、ですね。

浜離宮の隣に中央卸売市場がありますが、この市場は、元々日本橋にあったものが関東大震災で被災しこちらに来たのだそうです。

ということで、隅田川、神田川、日本橋川、神田川という逆時計回りの「江戸時代を川から偲ぶ」旅が出来ました。

最近は下水処理が進み、普段はだいぶ水がきれいになり、神田川でも鮎が見れるのだそうです。ボラの大群などは普段からいるのだそうです。

30年近く東京にいますが、こういう形で「下から」東京を見たのは初めてでした。東京都の危機管理監が、「高潮が来ると東京だけでなく埼玉の見沼田圃まで水に浸かる」、といって心配していた理由がよく分かりました。東京は水の都なのです。神田川には、6本の放水路があり、それに加え、環七の地下に大貯水池を作り、もう一つ計画をしていますが、それでも一時間あたり75ミリの雨にしか耐えられないのだそうです。今年、新潟や福井で降った大雨のようなものが東京に来たら大変です。おまけにその時が大潮であったり、超低気圧であったりしたら、最悪な状態になります。悪いことは重なりますから。

昨年は関東大震災80周年でしたが、大震災だけでなく、風水害にも脆弱な過度集中都市東京を改めて考える機会になりました。関東大震災の時も、台風の余波で、風邪が強く10メートルを超える風速だったのでした。神戸の震災は、わずか風速3メートルで、火災の死者が、「非常に少ない」と言われているのです。


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