琵琶湖のブラックバス
今年の2月に滋賀県の危機管理フォーラムに参加したおり、滋賀県知事の国松さんとお話しする機会がありましたが、知事から興味深いお話しを承りました。琵琶湖のブラックバスと在来魚の関係に関してです。
琵琶湖の在来魚は基本的に他の魚に襲われることを想定していないので、卵を守る術を知らないことから、不法にリリースされたブラックバスによいように卵を食べられ次第にその数を減らしているということなのです。
一方の外来種のブラックバスは、肉食の魚であることに加え、雄が群を守る習性があり、ブラックバスの群を雄が巡回して守っているのだそうです。卵もそうやって守っているのだそうです。外から外敵が来ると、鋭い口でがぶりとやるのだそうです。その食い付きが良いので釣り人にはたまらないスポーツフィッシングの対象となっているようです。
滋賀県では、外来種による在来種の駆逐を阻止するため、釣ったブラックバスのリリースを禁止する条例を作っているのだそうです。
国松知事は、このことを、国民保護法制のアナロジーとしてとらえておられました。平和を願っていさえすれば、外からの攻撃などあり得ないと、国民を保護するための仕組みを作ってこなかったこれまでの日本。ひとたびブラックバスのような「どう猛」な魚が入ってくると、なす術無く駆逐されてしまうのではないか、と。琵琶湖の在来魚は、まるで日本の国民のようだ、と感想を述べられておられました。国松知事は、早く国民保護法制度の実施体制を作るべきだとお考えでした。
現在は、制度はできあがり、実施体制の整備が急がれています。
ブラックバスの喩えは何も外国からの外来種に限らないように思えます。足下の無防備さをチェックしておくことが必要です。
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