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November 07, 2004

燃料電池とは何か

燃料電池という言葉を最近よく聞く。二酸化炭素や窒素酸化物を排出することのないクリーンエネルギーであり、地球温暖化を防止する決め手となる技術であることは、多くの人が納得している。

以下のようなホームページでも、そのメカニズムが紹介されている。
http://review.ascii24.com/db/review/pc/a4note/2003/04/21/643176-000.html

最近、NHKブックスで「燃料電池とは何か」という本を読んだ。清水和夫氏と平田賢氏というジャーナリストと学者の共著の本だ。この本では、燃料電池の概念を、歴史的経緯、その効用、技術的多様性、現在の取り組みの鳥瞰、それがもたらす社会の変化などについて、分かりやすく解説している。

PEMというコンパクトな燃料電池が世の中に与えた影響の大きさは計り知れないこと余すところ無く語っている。この燃料電池が水素から電気をとりだす装置なのである。

水素をエネルギーに電気を起こし、その電気で動力を起こす。排出物は水。電気が余れば水を電気分解して水素で貯蔵することも可能。電気が貯蔵できないという問題をこれで解消できる。これが実現すると、各家庭で必要な電気を自ら作り出すことが可能となる。メタノールや天然ガスから水素を取り出すことが容易であり、石油依存からの脱却が可能になる。

結果として、二酸化炭素排出は激減し、地球温暖化は防げる。水素発電は「化学反応」であり、全く静で、車のエンジン音は無くなるとのこと。著者はモデルカーに試車しているが、「キャビン内にはタイヤのロードノイズとポンプの音が聞こえるくらい」との感想。

技術的な桎梏が解消されていくことは時間の問題だが、水素の確保、供給体制をどのように作っていくのかは大問題である。水素供給源として東アジアの回りにある天然ガスを日本などにパイプラインで供給するシステムなどが必要になる。安全面から言うと、水素は保管が難かしい物質だという話も聞く。安全面からの対応も必要になるだろう。

地球環境のために行う設備投資は、必要な投資だと思う。何やらきな臭いことばかりが続く毎日だが、一瞬、人類の明日に希望を持てるような気持ちにさせてくれる本に出会った。


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